昨日のラトル、ベルリンフィル来日公演でオケの

レベルが比較できないほどの高みにある事を

実体験させられて放心状態でした。

何も書けない、他のコンサートには行きたくなくなった

状況でしたが(笑)、一晩寝たら少し気分も変わりました。


ベルリンフィルの凄さは主要メンバーが揃って

来日したと言う点でも他のオケとは比較できないくらいの

プロ集団だと言う事ではないでしょうか。来日するしないで

最後までヤキモキさせられましたが、一旦、訪日すると

決めたら全員が参加する。すごいです。これだけのメンバーで

ベルリンフィルが来日したと言う実績が出来てしまうと 今後は

他のオケがトラだらけで来日する言い訳が出来なくなったと

意地悪な見方をしています。


昨日は演奏会に先だってユニセフの親善大使としての

セレモニーが約10分ありました。大震災で被害を受けた

子供たちにドイツの子供たちが書いた励ましの手紙や絵を纏めた

本が震災で被害を受けた子供たちに手渡されました。

ここで思わずジーンときました。


セレモニーに続いて、演奏された「道化師の朝の歌」、

冒頭のピッチカートからビシッと決まって、ベルリンフィルのレベルの

凄さがサラッと聴衆に披露されました。ここでも思わず

涙ぐんでしまいました。


続く細川さんの「開花の時」。事前に何回もDCHを聴いて

曲にはかなり馴染んで聴いた事が良かったと思います。

冒頭の弦楽器(を中心とした?)最弱音の静けさと緊張感、

ここでもまたまた、涙が止まらず、、、、

DHCでは全部は判らなかった、トールが繰り広げる

多彩な奏法をすぐ目の前で身体に浴びると言う至福の時間

でした。この曲のラトルの指揮は完成しているらしく初演時の

DHCの映像と同じ。最後に左手人差し指を1,2,3と立てた後、

静かに終わる、、、名曲です。これ録音してほしいです。


休憩後のブルックナーの9番。9月にナガノ、バイエルン、

10月にスクロヴァ氏、ザールを聴いていますが、今回がまさに

真打登場。サントリーホールに音が溢れかえるのですが

決して五月蠅くならないし飽和状態にならない。フォルテが

幾つついても常に余裕が見られました。3楽章の最後の

長いゲネラルパウゼの静寂感。聴衆が拍手を忘れて脱力感で

へたりこんでいる。そんな演奏でした。


今回の演奏会を通じてラトルの実力は底知れないと思いました

英国人と言う事が信じられないくらいの実力(偏見??)。

どのような日常生活をおくっているのだろうなどと下世話な事を

考えてしまうくらいすごい。今後もいろいろな批判にさらされながら

演奏を続けていくのでしょうが、カラヤン以上の実力者として

君臨しそうな気がします。


今回は本当に運よくチケットが入手できましたが、貴重な

体験でした。