こたの音楽三昧

 R・シュトラウス
   楽劇「ばらの騎士」組曲
   交響詩「ティルオイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」
   最後の4つの歌

    S:アニヤ・ハルテロス
    マリス・ヤンソンス指揮 バイエルン放響楽団
           
     (2006/10 ヘラクレスザール、2009/5 ガスダイク)

バイエルン放響60周年ボックスからの分売品。
”最後の4つの歌”を目当てに購入しました。

”4つの歌”がCDの最後に収録されているので、あまり期待せずに
冒頭から聴き始めました。

「ばらの騎士」冒頭の輝かしいホルンの音が響き渡るとオペラが
始まったと錯覚させられるような生き生きとした演奏が始まったのには

びっくり。これは真剣に聴くしかありません(笑)

オペラの幕の順番とは関係なく”銀のバラの献呈”、”ワルツ”、
”終幕の三重唱”等が続いて「ばらの騎士」で親しんでいる旋律が
流れるとその場面を思い浮かべながら幸せな時を過ごしました。
BRSOのホルン素晴らしいです。もちろん他の金管群も、それに柔らかな
木管、弦楽器のメロウなサウンド、それらが素晴らしく溶け合っています。
演奏終了後の観客の大きな拍手からも当夜の盛り上がりが感じられました。
日ごろ「バラ」のオペラに親しんでいるミュンヘンの観客も満足したのでしょう。

次の「ティル」も演奏レベルの高さにホレボレとしました。相変わらず
ホルンがうまい。途中のヴァイオリンの短いソロにとてもユーモアを
感じて思わずニヤッとしてしまいます。それからとても録音が良いので
逮捕から裁判の場面の”大太鼓”の音がとても印象的。最後まで飽きずに
「ティル」を聴いたのは久しぶりでした。

最後がお目当ての「4つの最後の歌」。 この曲だけガスタイク・ホールの

せいか音がやや近めで雰囲気も異なって聞こえました。ソプラノもオケに
対してクローズアップされていて自分の好みからすると近すぎました。
この美しい曲は、長い間シュヴァルツコップしか受け入れられません
でしたが、最近、漸くヤノヴィッツ(カラヤン)等でも聴くように
なりました。自分の好みは”透明できれいな声のソプラノ”ですが
ハルテロスの声は太く、重めで違和感を感じました。3曲目の”眠りに就くとき”
のヴァイオリンソロも「ティル」で感じたような歌心が感じられなかった。


自分には期待した「最後の歌」がダメで他の二曲がとてもよかった。
だから、音楽鑑賞は面白いです。