こたの音楽三昧

ベートーベン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58

ベートーベン:交響曲第3番変ホ長調 Op.55「英雄」


ピアノ:内田光子

指揮: F.W.メスト、クリーブランドO


サントリーホール A席 1階-12-3

19:00開演


内田光子のPコンがあるせいかほぼ満席だった。前半は天皇陛下

ご夫妻も臨席された華やかな演奏会。

素晴らしい演奏会だったが、感激したかと言われると答えが難しい。


Pコンは内田さんのピアノで始まりオケが入ってくると音の響きの

すばらしさに思わずドキッとさせられた。1楽章も素晴らしかったが

特に2楽章は内田さんの集中力の高まりもあり曲に引き込まれた。

ピアノが瞑想的な音楽を奏でる中でオケも見事に反応していた。

3楽章のオケとのスムースな掛け合いが継続され最後は圧倒的な

盛り上がりとなった最高のPコンだったと思う。さすがに天皇陛下の

前では観客も行儀が良かったが何度も内田さんが呼び出されていた。

アンコールは無し。

後半は「英雄」。1St Vnが18名だと思うが大編成の「英雄」。

出だしから早い演奏。まさにAllegro con brioそのもの。早い。

2楽章も同じでそのまま4楽章まで一気に進む。ともかくテンポを

落としてタメを作ることを嫌っているような演奏。オケも素晴らしい。

特に弦楽器群の音色が統一されているので4楽章の変奏曲の

縦の線などが気持ちよいくらいはっきりわかる。管楽器群との

音のブレンドが素晴らしい。昨日のブルックナーを聴きたくなるような

サウンド。このオケのホルンは最高。自分の席からはホルンの位置は

見えないが2楽章、3楽章、4楽章の見せ場になると素晴らしいホルン群の

サウンドが聞こえてきた。ともかくオケ全体のサウンドのバランスが良い。

4楽章の最後もあくまでもインテンポを守るメストの演奏は清々しく

感じて気持ちよく演奏会を楽しむことが出来た。

アンコールは無し。


演奏会には非常に満足して帰途についたが、今ひとつ感動したと

言う事は言えない自分に気づいた。感心して楽しんだ、でも感動には

チョットと言うのがうまく表現できないが今の気持ち。このへんが

現時点のメストの限界かな等と勝手に思ったりしている。

そう言えばカラヤンも若い頃は快速ベートーベンでいろいろ

言われたことを思い出した。あの頃のカラヤンの演奏はあまり

聴いたことが無いので比較は出来ないが、、、。

何故、フル編成でベートーベンを演奏したのかメストの考え方も

聞いてみたい気がする。



開演前から団員がステージで練習をしていたのはシンシナティの

時と同じ。CSOの時は覚えていないが米系のオケはこれが当たり前

なのか。もっと驚いたのは団員が一斉に入場するのではなく

三々五々入場し自分の席に座ること。中にはガムを噛みながら

席に座るVn奏者もいたほど。アメリカ的と言えばアメリカ的なのか。