携帯電話を持つようになって、もうどのくらい経つだろう。

家族との連絡や子ども関係のやりとり、仕事の連絡用にと

必要に迫られて使い始めてからもう何台目になるのだろう。

携帯からスマホへと機種や仕様も変わり、アドレスやら電話番号が変わる度に、変更を伝えるべきか否かを迷う人が必ずいる。

 なんとなくの流れでアドレス交換したものの、そのあと殆ど交流のない形だけの知り合い・今後おそらく会うことも関わることもないであろう人たちは迷わず「変更伝えないリスト」に。

問題は、ここ何年も会っていない人たち。

以前は、それなりの頻度でゴハンを食べに行ったりお酒を飲みに行ったりしていたはずなのに、いつからか、疎遠になっている人たち。

この人たちも「変更伝えないリスト」に入れるべきなのか。

 そして、ある出来事をきっかけに、もう付き合いがなくなってしまった人たち。

女の友情はハムより薄いってか~?なんて心の中で苦笑いしがら

変更を伝えるべきか、はたまたアドレス帳から削除すべきか否かを迷う。

男子の中にも悩む名前が出てくる。

何十年ぶりかで再会した学生時代のボーイフレンドたち。

とりあえずは先方もそれなりに大人になり、「連絡先を教えて」くらいのエチケットトークをできる最低のマナーは身に着けたらしい。

がしかし、以来、数えるほどしか会っていない彼ら。

元恋人なら、時を経てもそれなりのトキメキ感があるものなのかもしれないが、そんなドラマ的感情は皆無の面々。

こちらが思う以上に先方は私の「老い」を感じているはず。

「こいつと飲んだどころで楽しかないや」くらいのことを思っているのは火を見るよりも明らか。

 

Mさあ~ん」

私はスマホをいじりながら、常日頃、頼りにしている先輩に尋ねる。

「もう何年も会ってなくて、これから先も多分会うことはない人たちはどうしよう?」

「いまだに頑なにガラケーの人や、スマホ持っててもLINEを使ってない人もいるのよ~。そうゆう人たちにさあ、アドレス変更伝えるべき~?」

「要らないわよ」

今年78歳を迎えるM女史はいとも簡単におっしゃる。

「人生に断捨離は必要よ」

「それはね、モノだけじゃなくヒトも同じなのよ」

確かに・・・おっしゃる通りのアドバイス。

データ容量のムダ使い。

「よっしゃ!教えない!そして削除る(サクジョル)!」

こうして、私のアドレス帳は携帯(のちにスマホ)を替えるたびにそのデータがスリム化されていくようになったのである。

 がしかし、最近は、LINEの普及で、電話番号がわかれば勝手に氏素性・身元がわかってしまうというやっかいなシステムがある。

便利の裏返しは迷惑とも言う。

「知り合いかも?」とか「電話番号でお友達登録されました」なんてメッセージと共に「この人誰?」という人が登場したりする。

せっかく「人生の断捨離」を実行していても、また次から次へと見知らぬ知り合いがデータを膨らませる。

この世の中、個人情報の大洪水。氾濫しまくりのプライバシー。

個人情報要・不要の使い方をもっとしっかり施行してもらわねば。

必死の手作業で削除っても(サクジョッテモ)、なんの意味もないことを知らされる今日この頃なのでありました。

偉大なるM女史「だから私はスマホなんて使わないわよっつうの」