現時点では一番新しい、ジョージ・A・ロメロ(ゾンビ映画の本家)謹製の作品である、

サバイバル・オブ・ザ・デッド [DVD]/アラン・ヴァン・スプラング,ケネス・ウェルシュ,リチャード・フィッツパトリック
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を観たよ。


以下、激しくネタバレになってしまっているので、ネタバレを嫌う方は読まない方が得策です。





ゾンビになっちまったヤツは即座に殺すしかないと考える一派とゾンビが家畜の味を覚えて人間を襲わなくなれば人間とゾンビは共存できると考える一派が、狭い島で対立。いったんは後者が前者のトップを放逐するものの、前者のトップはよそ者の力を借りて復讐を遂げようとする。


ゾンビが家畜の味を覚えて人間を襲わなくなれば人間とゾンビは共存できる。か。それは一見ナイスアイディアかと思うけど、でも結局人間と家畜の関係と同じレベルでの共存なんだよね。ゾンビをまるで家畜のように牧舎に入れて飼い慣らそうとする様子はマジで醜悪の一言だったよ。


結局よそ者の兵隊崩れだけが生き残り、牧舎に閉じ込めていたゾンビ達が脱走し暴れ回る中、両方とも乱戦の中で相打ちになってしまう。


この島にいたら、自分たちも彼らみたいに派閥争いをしたくなりそうだと、嫌気が差した兵隊崩れたちは島を去る。


しかし、彼らは知らないのだ。ゾンビが家畜の味を覚えると言う、あり得ない事態が実は最後の最後で現実になっていたと言うことを。


ってなお話。


奇跡が現実になっていたことを結局誰も知らずじまいになってしまう辺り、実に皮肉が効いている気がします。自分はその皮肉な結末が結構気に入ったので、この映画に高評価を与えてしまいたいと思いますが、まあ、感じ方は人それぞれでしょうね。実際、駄作と感じている人も多いらしく、Amazonでは星2つ半で、マケプレでは新品すら千円程度という低評価でした。



おれはゾンビになっちまったヤツは即座に殺すって方がマシだと思うけどね。そもそも、ゾンビには生前の人格は残っておらず、単に生前にしていたルーチンワークをゾンビになっても覚えているだけなんだよな。そんなものは機械仕掛けの人形と大して変わらないだろうさ。誰もそんなものになりたいだなんて思わないよ。もしなっちまったら、即座に殺してくれと誰もが思うはずだ。なのに、そんな切なる願いを無視し、そんな風になっちまった後も自分の利益の為だけに使い倒す。そこに正義なんてあろうはずがないと思うんだけどね。


もし誰かの身内がゾンビになっちまったら、その身内とゾンビを同じ空間に閉じ込め、身内が元身内のゾンビを始末できればそれでいいし、始末できなくて殺されるのも自由、神の奇跡か何かで人間に戻るのを期待して、殺さず殺されない状態でキープするのも、密閉空間の中のみでならばオーケー。


ってことにすればいいんじゃ無いかと思うんだけどね。


誰もが自分の意思で、自分の未来を選択すればいい。それが人生ってものだとおれは思うんだけど?