『ナイトオブザリビングデッド 死霊創世記』って言うゾンビ映画を観ました。ゾンビ映画の古典『ナイトオブザリビングデッド』のリメイク作品です。


原作はモノクロの古い映画で、実に低予算な感じではあったけど、実に面白かった。ただヒロインがちょっとどうかって感じだった。いきなり兄がゾンビの犠牲になって、その後も追いかけ回されたショックがあったんだろうけど、ずっと心神喪失状態で、実にお荷物って感じの役回りだった。ちょっと精神的に弱すぎないか。ここまで弱すぎる女性も滅多にいないんでは?って感じだった。


今回のリメイク版での彼女は全然違いました。最初の方こそ何を聞かれてもまともに返事が出来ない状態でしたが、次第に落ち着きを取り戻し、最初に着ていた動きにくくて野暮ったい洋服を脱ぎ捨てて、身軽で戦闘向きのコスチュームを身にまとうようになりました。それでも途中まではゾンビを恐ろしくて正視できず、無駄弾を撃ちまくりでしたが、終盤に近づくと無駄弾を使わずに威嚇のみにとどめながら進み、襲ってくるゾンビの眉間を冷静に撃ち抜けるようになったし。


むしろ恋人と離れたくない一心で離れにある給油タンクまで一緒に車で行こうとして、お粗末な行動で車をタンクごと爆発させることになってしまうもう一人の女性の方がみっとも無かったかもしれないや。彼女は旧作でもリメイクでも全く同じ役回りでしたけどね。


黒人青年ペンはリメイク版でも相変わらずの奮闘ぶりでしたが、中年親父ハリーと不必要なまでに揉めて同士討ちになってしまったりと少し空回りが目立ったかな。ヒロインが凛々しかっただけにね。

しかもずっと探していた給油タンクの鍵は地下室にあって、地下室にこもろうとしたハリーと落ち着いて話し合う機会を持てば、すぐにその鍵を見つけることが出来たかもしれなかったという事実に死に直面してから気付くという悲喜劇的な結末を迎えてしまうことになったし。


結局ヒロインは無事生き延びることになるけど、人間達の醜さを目の当たりにすることになる。圧倒的な人数差と武装でおもしろ半分にゾンビを殺しまくる人間達。平気で他者の命を奪えると言う点ではゾンビと全く変わりがない。むしろ笑いながらそれが出来る分だけより人間の方がろくでもないかもしれない。人間の醜さが際立つ結末になったのは旧作と同じだけどね。


旧作とリメイクでヒロインの姿が全く異なることに違和感がなかったと言ったら嘘になるけど、茅田砂胡さんの小説で強い女性達を見慣れた目からしたら、「こうでなくっちゃ!」って感じでした。実にいいリメイクだったと僕は思いますよ。


さてと、この次は『死霊のえじき』のリメイク、『デイ・オブ・ザ・デッド』を観る予定です。主演女優が美人らしいので、楽しみです。