「がんばらない働き方」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「がんばらない働き方」(ピョートル・フェリクス・グジバチ)
 
 
普段、何気なく使っている「がんばります」という言葉。思考停止ワードなのだな、と改めて気がついた。
 
まさに、努力や忍耐を美徳とする日本独特の精神論、根性論を象徴するようなワード。
 
結論がウヤムヤな会話も、この一言で終了させかねない危険な魔法のワード。
 
言うときも(できる限り言わないようにしようと思うが)、言われたときも、これからは十分注意しよう。
 
 
思えば、似たようなワードはたくさんあるのかもしれない。
 
「最大限の努力をします」「最大限の支援をします」「全力で取り組みます」「あらゆる選択肢を検討します」・・・
 
日本だけでなく、世界の政治家たちからよく聞くワードだ。
 
本当に「最大限」なのか後で検証することは難しいだろうし、その政策に全力を使ったら別の政策にリソースを回せないのではないか、などと突っ込みができそうだ。
 
 
本書の主旨とずれてしまったが、とにかく、自分にとって価値のないことはできるだけスルーしてがんばらない、本当に価値があること、価値がありそうなこと、興味があること、などに気力体力、時間、を使っていこう、と思った。そのためには、上司に怒られたり、ひんしゅくを買ったりしても気にしないことが、実践するうえでのコツではないか。
 
 
以下、備忘
 
 
「がんばります」は日本特有の言葉。
「がんばります」を英語にすると“Do your best”になるかもしれないが、実際に使われることはまずない。
「がんばります」と言われたとき、ポジティブな印象ではない。
本当は、そこで「どんなプロセスでやれば結果が出せるか」といった会話がしたいのに、「がんばります」といわれると、どうも方向が違ってしまう。
 
 
「インパクトが大きい仕事をする」ときに大切なのは、あれもこれもこなそうとするのではなく「ムダを捨てること」。作業をがんばることではなく、むしろがんばらないこと。
 
 
グーグルは常に「10x」、(1-2割ではなく)今の10倍の成果を上げよう、としている企業。
「捨てる」はこの生産性を実現するためのカギ。
不要な仕事を捨て、やるべき仕事にフォーカスできれば、グーグルのような「世の中にインパクトも与える」仕事ができる。
 
 
「フロー」で課題解決能力は4倍に。(フロー状態=時間を忘れて何かに没頭している精神状態)
フローに入るためには、「忙しいけれど仕事を楽しんでいる」「忙しいけれど学んでいる」「忙しいけれど好奇心をもって仕事をしている」状態をつくること。
 
「がんばる」のではなく、まずは楽になり余裕をつくる、そして仕事内容を見直し、自分にとってより価値の高い仕事にフォーカスできるようにすることが大切。
 
 
指示通りに仕事をしなければ上司に怒られる。しかし、怒られることは悪いことではない。きちんと説明できることが大事。むしろ、圧倒的に仕事ができる人は、上司にさんざん怒られる人であることが多い。
 
 
「仕事=上司に従うこと」ではない。日本では「上司の言うことを聞いてがんばった人が評価される」と思っている人が多い。これからは思い切って「捨てる」こと、上司からの依頼もときには「断って提案する」ことを学ぶべき。
 
自分に期待されているアウトプットがどんなものか、それが何のためなのか、チームの目標は何か、等を確認しないまま「言われたことをやればいい」という姿勢をとり続けるのは思考停止状態。
 
 
「インパクト」と「学び」による仕事のマトリクス
 
①インパクトが大きく、学びも多い仕事
当然、最優先すべき。自分以外にはできない仕事がこれ。
 
②インパクトは大きいが、学びは少ない仕事
その仕事を学びたいと思っているほかの人たちに回す。
 
③インパクトは小さいが、学びは多い仕事
長期的な投資として行う(ex:魅力的なスタートアップに関わる、語学を学ぶ)。仕事の6-7割は将来の土台づくりのためにあてるべき。
 
④インパクトが小さく、学びも少ない仕事
誰でもできる仕事。多くの場合、to doリストに並ぶ「作業」で、それをこなそうとがんばってしまう危険な側面あり。真っ先に「noto to doリスト」入りにして、自分ではやらないと決める。
 
 
グーグルらしい働き方「SPRINT」は、全力ダッシュと休養を繰り返すもの。仕事に集中する時間と休息を意識的につくる。
 
思い切った休みをとる。結果を出したら休む。
 
人間は1年に1回、少なくとも1週間リフレッシュして新しい自分に生まれ変わる必要がある。
 
 
忙しさ自慢、がんばってるアピールは必要なし。生産性の低い働き方をしているのがバレるだけ。
 
 
誰と会うか、会わないか、は自分で決める。
 
ビジネスパーソン5つの層(人間関係の優先順位)
①変革層…社会に変革を起こす影響力を持つ
②実践層…実験と工夫を繰り返し実践している
③変えたい層…変えなきゃと思っているが実行力と勇気がない
④気づいた層…課題を自覚するも半ばあきらめている
⑤ゆでガエル層…変化の必要性に気がついていない
会う価値があるのは①のみ。
 
成功者に会いに行くときは質問をしまくる。人は自分に興味をもって話を聞いてくれる相手には、むしろ好意を持つもの。質問攻めにしてかまわない。
 
 
心理的安全性の高い職場、「人に言える」信頼関係をつくる(「実は今、やる気がないんです」といえる空気づくり)。
 
コミュニケーション例「ねえ最近、やる気あるの?」「最近一番楽しんだ仕事は?」「今週成果があがった仕事は?」「面倒くさいことある?」