「新しい腸の教科書」★★★☆☆ | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

「新しい腸の教科書」(江田証)

 

著者の江田氏は「パン・豆類・ヨーグルト・りんごを食べてはいけません」という本も書いている。

 

本書でも、発酵食品などが腸にいいとした上で、人によっては合わなかったり、過剰摂取で逆効果になったりする、「小腸内細菌増殖症(SIBO)」について多くの記述がある。このような人にとっては納豆もヨーグルトもNGとなるようだ。

 

これまで、食関係や腸関係の本をかなり読んできて、多くの本で「発酵食品は積極的に摂取」「納豆は1日1パック」などと推奨され、発酵食品は摂取すればするほど腸に良いのだと思っていた。しかし、なるほど"過ぎたるは及ばざるがごとし"という説にも説得力を感じる。

 

また、その人の体質に合う合わないというのがあるのも、当然といえば当然なのかもしれない。人によって保有する腸内細菌の種類は異なるようだ。

ちなみに、産まれてすぐの赤ちゃんは無菌状態なので、最初に触れた人の菌の影響力が生涯にわたり非常に大きくなるという。

 

 

実は最近、ヨーグルト、キムチ、納豆の摂取量を大幅に増やしてきたものの(リンゴもたまたまよく食べていた)、腸の調子はむしろ以前よりもイマイチな気がしていたので、過剰摂取は良くない、あるいは体質に合わない、という可能性を何となく感じた。

 

ひとまず、試しにヨーグルト、キムチ、納豆、リンゴの摂取量は、従来ベースの自然体の摂取量に戻してみよう。

 

 

食系の本は随分読んだので、もうさほど新しい発見はないだろう、と思いつつ本書を手にとってみたが、今回は視野が広がった(本書を信じ切っているわけではないが)。

 

身体に何を摂り入れるべきかという興味は、相変わらず尽きない。

 

 

以下、備忘

 

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3つに分類される。日和見菌が7割占め、これは善玉か悪玉か優勢なほうに味方をする。理想は善玉菌2割、悪玉菌1割(この場合、善玉菌勢9割、悪玉菌1割になる)。善玉菌1割、悪玉菌2割だと1対9で悪玉菌勢に一気に傾くので、結果は大違い。

 

セロトニンの9割は腸で作られる。腸内環境は精神の安定にも大きな影響。

 

腸内細菌のほとんどは大腸に生息(大腸に約100兆個、小腸に約1万個)。現在、小腸のなかで細菌が増殖してしまう「小腸内細菌増殖症(SIBO)」という病気が問題に。

 

本来、大腸にいるべき細菌が小腸内に流入。

 

過敏性腸症候群の患者の80%がSIBOを併発。便秘、下痢、お腹の張りや違和感、等が長引く場合は要注意。

 

健康な腸にしてくれる4大食品。「発酵食品」「水溶性食物繊維」「オリゴ糖」「EPA・DHA」。

 

しかしながら、発酵食品や食物繊維をとるとかえって調子が悪くなる人がいる。小腸のなかで細菌が爆発的に増えすぎてしまう病気「小腸内細菌増殖症(SIBO)」である。過剰に菌が増えた小腸のなかでは、整腸食は味方ではなく敵になりうる。

 

やるべきことは糖質をできるだけ避けた食事をすること(高FODMAP食品を避ける)。ただし、高FODMAP食品でも食べてみてお腹の調子が悪くならなければ、その高FODMAP食品は食べてOK。また、低FODMAP食品だからといって食べ過ぎや飲み過ぎは厳禁。

 

高FODMAP食品のなかで合わない人が多いのは小麦類(パンやパスタなど)。

 

腹7分目で長生き遺伝子が活性化。腹7分目にすると消化が活発に行われ睡眠時に空腹時間をつくれる。

 

腸は「ゆらぎ」で癒される。日光を浴びる、森林を歩く、など推奨。緑茶の香りも腸の疲れをとる効果あり。

 

便意がなくてもとりあえず決めた時間に毎日5分間トイレで座る。