「コーポレートガバナンスの徹底と浸透」
これが村上氏が一貫して目指してきたこと。
昭栄、東京スタイル、ニッポン放送、阪神電鉄、など村上氏が手がけた投資案件を、懐かしく思い出しつつ、感慨深くこの本を読みました。すごく面白かった。
若い頃、自分は資本市場で働いていて、その当時、日本企業が世界から見ると特殊だと分かっていたけれど、それが日本の常識であり、とりたてて問題意識を持っていなかった。というか、それが常識という前提で物事を考えていた。
しかし、今から振り返ると、総会屋とか、株式持ち合いとか、上場する意味のない会社とか、、、明らかに日本は変だった。
その当時は分からないけれど、振り返ってみると変だと分かることはたくさんあるものだ。
村上氏の目指した「コーポレートガバナンスの徹底と浸透」は、まだまだ村上氏の理想とは程遠いと思うが、村上氏の功績というか爪跡というか、はとても大きいと思う。
当時、おかしいと思っている人はたくさんいたと思うが、情熱を持って行動に移した人は、本当にごく一部であり、とても目立ってしまった。
村上氏も、堀江氏も、とても純粋な人だと思う。立居振る舞いや世間とのコミュニケーションが下手だったということかもしれないが、日本にとってプラスになる(少なくとも、おそらく違法なことはしていないと個人的には思っている)人たちに、実刑判決が出てしまう日本社会にはがっかりだ。
微力ながら、自分もできる範囲で、正しいと思うこと、日本経済や日本の社会にプラスになることを、時には勇気を持って、取り組んでいきたい。
以下、備忘
私は投資先の企業に対して、最初にこうヒアリングする。
「たくさんの手元キャッシュや利益を生み出していない資産をお持ちのようだが、これらを今後の事業にどのように活用していく計画なのか」