「快感回路」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

快感回路---なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか/デイヴィッド・J・リンデン

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★★★★☆



セックス、ドラッグ、アルコール、高カロリー食、ギャンブルからエクササイズ、慈善行為まで、人が快感を感じるしくみは基本的に同じだそうです。


人類の歴史700万年の99%は狩猟・採集社会で、そういう社会の中で人間のDNAが形成されました。そういう背景があることを前提に考えると、人間が快感を感じるワケが理解しやすいです。




以下、備忘


先祖の食事の大半は植物性。脂肪や糖、(内陸では)塩、などはごくわずかだった。食べ物の獲得が不確実なため、脂肪や糖を含む高カロリー食が手に入ったときはそれを貪り食い、体脂肪として蓄えた。肉、甘いもの、塩分の多いもの、を好むのはこうした人類の歴史が背景。


不確実性の快感。働いて得た99セントよりも道ばたで拾った1ドルのほうが嬉しい。同様に、ギャンブルで得たお金は気持ちをくすぐる。

サルの実験でも不確実性が快感につながる結果が得られた。人間の脳はリスクのある出来事から快感を得るようにできている。

リスクをとろうとする神経系は進化上も適応的という説もある。人類の祖先は、狩猟をするオスのほうが採集をするメスよりもリスクをとることに適していた。現在の人類でも、男性の方がギャンブル依存症になりやすい。


慈善の快感は、自主的判断の快感(税金を義務的に支払うより、何かを与える判断を自分が下す)、社会的評価を受ける快感(裕福な人、寛大な人、と周りに思われる)、など。


サルの実験によれば、自分にはどうにもならない情報であっても、予告の情報に快感を感じている。人間も情報そのものから快感を得ている。人間はニュースやゴシップや噂が大好きで、何より自分の未来についての情報を知りたがる。