★★★★☆
FR(ファーストリテイリング)のSPA(アパレル製造小売)という業態や戦略自体は決して特別なものではない。何年も前にイトーヨーカ堂のチームMDが取り組んでそこそこ成功している。では、イトーヨーカ堂と FRとの差は何かというと、続かなかったイトーヨーカ堂と徹底したFRという違いのみ。では、その違いはどこからくるかというと大企業病が蔓延していたかベンチャー意識を忘れずに挑戦し続けたかどうか。そして、ベンチャー精神を再活性化するためにFRは何をしたかと言うと、安定志向が見えた玉塚氏に代わって柳井氏が社長に復帰し、ビジョンを明確にし、現場に積極的に口を出す、といったトップダウン型経営の再構築。
本書に書かれている細かいエピソードなどすべて紹介できませんが、ファーストリテイリングの経営はとても参考になります。
以下、柳井氏語録
「失敗しても会社がつぶれなければいいんです。失敗するんだったら早く失敗したほうがいい。ビジネスは理論通り、計画通りいくわけがないんですよ。早く失敗して、早く考えて、早く修正する。これが成功の秘訣だと思います」
「会社で自己実現をしたいなんて言っている人はいりません。ユニクロを自分のキャリアのワンステップと考えているような人も不要です。やっぱりユニクロ、FR で仕事をしていこうという人の集団にしていかないといけないと思います。戦力になる人は、会社のため、社会のために貢献したいんだ、そのために自分のビジネスはこうあるべきなんだ、と心底思っている人です。そうじゃないと会社は変わらない」
「必要なのは今の変化に合わせて、会社を変える決断なんです。我々の会社は将来どうあるべきなのか、我々の使命とは何かを示し、それに向けて突き進むということです。人間というのは、具体的な目標を明確にしないと行動しない。僕もそうですよ」
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