「「知の衰退」からいかに脱出するか?」 | Jiro's memorandum

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泉治郎の備忘録 読書の感想や備忘録 ※ネタバレ注意
【経歴】 日本株アナリスト、投資銀行、ネットメディア経営企画、教育事業経営、人材アドバイザー、新聞社経営管理、トライアスリート

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大前氏の本は、内容もさることながら、読ませる文章力とか、ビジネス書のなかでも一線を画していると思う。この本もお薦めです。


低IQ社会、1億総経済音痴、無欲な若者、学力低下・・・
日頃感じている危機感が、この本を読んでいっそう高まる。

明治近代国家の建国、戦後の経済高度成長、それらの時代 日本には目指すべき坂の上の雲があって、貪欲に海外から学び、目覚ましい躍進を遂げ、世界で絶賛された。遡れば、なまじっか国際社会で優等生になったことが現在の平和ボケに繋がっている。そして、源泉徴収制度(いくら税金を納めているのか気にならない)、偏差値教育(どうせ頭のいいやつが役所に行って考えるからというあきらめ)、なども国民の愚民化を促している。

市場主義から距離を置き大きな政府を指向する現民主党政権は、国民の思考停止をさらに促すのではないだろうか。スモールハッピネスでいい。それはポルトガル現象に繋がる。本当に日本の未来が心配だ。

あてにならない政府、頼れるリーダーの不在。

自分自身、そして自分の子供には、しっかりサーバイブできるだけの思考力とスキルを身につけさせたい。


「知の衰退」からいかに脱出するか?/大前研一

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