昨日9/25のロッテ戦で3年目の井上にプロ初本塁打がついに出ました。30打席目での7安打目が待望の1発となりました。今季は右の大砲候補として最初に名前が挙がったのは正木。開幕スタメンに名を連ねましたが26打数1安打0本塁打10三振と結果を残せずに2軍降格となると、故障もあり2軍の戦線にすら戻れていません。
その後に名前が挙がったのはリチャード。最初の昇格は不調時期で可哀そうな面もありましたが結果を残せず2軍降格。秋口に入り再度チャンスも貰いましたが、ここでも結果を残せず。こちらも61打数7安打0本塁打25三振。毎シーズン、2軍では本塁打王を独走しますが1軍に来ると別人となり、期待に応える事が出来ません。

そんな中でチャンスが回ってきたのは、3年目の井上。打率こそ1割後半から2割ちょっとを行ったり来たりしていますが、初昇格という事を考えれば、こんなものかもしれません。井上が前述の2人と違う点は追い込まれてからも粘れる事。選球眼や追い込まれた後のアプローチでは数段上のレベルでしょう。長距離砲という意味ではリチャードには及びませんが、リチャードは1軍ではバットに当たらないので話になりません。

まだ1本打っただけ。それでも来期以降に繋げる大きな財産を残してくれたと思います。今季のチームは若手が育たず暗黒期の一歩手前。それを回避させてくれる光になれるでしょうか?メインのポジションは三塁ですが、来春のキャンプでは栗原が帰ってきます。残り少ない今季にどれだけ数字を残せるかでライバルになれるかどうかが決まりるはずです。

そしてもう1人、右の大砲として期待されそうなのが新人の吉田。怪我で出遅れた為、2軍に上がってきたのは遅くなりましたが、あれよと言う間に結果を残し、今や5番を打っています。本来は捕手ですが打力を買われ急造の一塁手として出場。小久保2軍監督が野球に取り組む姿勢を評価する男は、28試合72打席と出場が少ないながらも打率.319 2本 19打点と数字を残しています。今季中の昇格は無いと思いますが、フェニックス・リーグでも結果を残せれば来春のキャンプではA組にお試しの「野手」として呼ばれそうな気がします。
吉田については2軍の試合で見た事がありませんが、数字を見ると四球が1つと極端に少なく、典型的な早打ちのような気がします。早打ちと言えばアストゥディーヨ獲得の際の触れ込みが三振の少ない打者という事でしたが、単なる早打ちで三振が少なくても意味はありません。四球を増やして出塁率を上げるという事は1軍を目指す上で必ず必要になります。追い込まれてからのアプローチが良い打者は必然的に四球が増るはずです。安打を打てなくても四球で塁に出られれば、それだけ使って貰えるチャンスも増えるでしょう。それが吉田にとって1軍への近道になるはずです。

チャンスと言うのは何回も貰える訳ではありません。誰かが結果を残せば、誰かのチャンスは無くなります。高卒3年目で年下の井上が結果を残せば、高卒6年目のリチャードや大卒2年目の正木のチャンスは大きく減っていくでしょう。プロ野球の世界は結果が全てです。