認知症両親の在宅介護のつらさの中でも、自分の気持ちとの折り合いは最大の悩み。
 
認知症のことを詳細に理解していても、日常生活に疲労困憊で、ついつい認知症の親にきつい言葉を言ってしまったり。
排泄ケアや食事介助、口腔ケアを拒否されたり、うまくできなくて諦めてしまったり。
 
気持ちの乱高下に自己嫌悪
その理由は、精神的肉体的な疲労がピークを越えているのに、眠る時間が取れないこと。
極限状態に追い込まれる。
いつもは我慢できる言葉が我慢できなくてイライラをぶつけてしまったり。
根気が続かなくて、キレてしまったり。
ぼんやりして放置してしまいたくなったり。
後になって落ち着くと、理性的でいられなかった自分が嫌になる、後悔する。
 
感情が乱高下するのはわるいことじゃない
人間なんだから当たり前。
初めてのことだから当たり前。
親の行動に一喜一憂し、なんとかしなきゃと頑張りすぎて、気持ちが乱高下する自分。
それでいいんだよ。そういうもんだよ。
とまずは自分を受け入れて欲しい。
できない自分を否定しなくていいんだよ。
できない自分を責めるのが美しいとか、できない自分を責めるのがふつうだという思い込みや刷り込みに気づいて欲しい。
 
気持ちが乱高下する原因を特定しよう
自己嫌悪したとき思い出してほしいのが、その自分の気持ちが乱高下したときの状況。
経験上、そういうときは親の認知症状の転換期や違う病気の発症が原因な場合が多い。
 
そう!わたしの気持ちが保たれなかった原因はわたしのせいではなく、親が自分のカラダや気持ちの感覚を正確にわたしに伝えられないから。
 
親にこれまでと違った変化が現れているのではないか?
詳しく観察してみてほしい。
 
認知症両親の在宅介護ができなくなった根本的な原因は実は父の水頭症だった。
その症状のせいで、排泄ケアが異常に大変になり、そのせいで母が精神的に不安定になり認知症状が一時的に悪化していたと、だいぶ後になって自覚した。
他にも、両親が凶暴化して手が付けられなくなるのは便秘や薬の飲み合わせ。
日々に追われ過ぎて、見逃しがちだが重要なこと。
つまり自分の感情を敏感にキャッチしその原因は、
そもそも自分の思い込みではないか?
親自身の病気の症状ではないか?
自分のストレスでただの八つ当たりなのか?
確認する癖をつけたい。
 
原因に検討がついたら
誰かに助けを求めよう。
「助けて!どうしたらいいの?!」
自分のまわりの家族(自分の代わりに一時的に親を見てもらえる人)や介護や医療関係者に相談。
ただ話を聞いて欲しいときは、傾聴できる人に聞いてもらおう。
 
ここは大変でも自分のために、親のために踏ん張るところ、超重要。
結果、問題解決へ前進する。
なにか手立てはみつかる。
あきらめないこと。
 
注意事項
このとき、身近な友人や親族に相談しないこと。
介護や認知症の現状を知らない人に相談したらまずもって返り討ちにあう。
ご注意ください。
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松元佳子