高齢者のペースを知ろう!

 
何をやっても何でそんなに遅いっ?!
イライライライラ!
 
と感じるあなたは、健康です。
 
人は徐々に老化しています。
その速度はゆっくり過ぎて、なかなか気づくことができません。
例えば、
 
ちょっと膝が痛い
歩くのが辛い
 
この過程で歩くスピードは徐々に徐々に遅くなっています。
そうして大概の人は、自分の歩みが遅くなったとは思わず、周りの人は歩くのが早い!と感じはじめます。
 
ちょっと想像してください。
右足をくじいてしまったとします。
痛みがあります。
体重を乗せると痛みがあるので、
恐る恐るゆっくり歩きます。
慣れると少しスピードがでます。
 
その時、あなたはどんなことを感じますか?
周りを気にしていますか?
周りを気にする余裕があるでしょうか?
痛いからゆっくり歩く、それは当然。
そう思いませんか?
 
老化するということは、
痛む場所も痛みも増えると思いませんか?
関節が固まりやすくなり、
痛みがあるからと動かさずにいると、
どんどん固まり動かしにくくなり痛みも増していく。
 
動くのが億劫になると、
その他のことも億劫になる。
それが人の自然な気持ちだと思います。
 
こうして相手の気持ちを思いやってみます。
どのくらいどこに痛みがあるのだろうか?
 
一緒に動く自分には途方もなくイライラするペースでさえ、
相手は一生懸命なのかもしれない。
 
それともお願いしたら、
もう少し早く動けるのだろうか?
 
周りを気にするゆとりはあるのだろうか?
 
観察しながら、
思うことをふんわり柔らかいことばに変えて、
相手にしゃべりかけたりしながら、
手を貸すのではなく見守って、
隣か少し後ろを歩いて見てください。
 
そうすれば相手の
「今現在のいつものペース」
を知ることができます。
 
これは現状(事実)を正確に把握するために必要です。
 
そのペースで身の回りのことをするならば、
どんな1日をどのように過ごすのかが理解できるようになります。
 
そうすれば、
ひとりでできるだけ健康に長生きするために、
次は何をどのくらいサポートすると、
気がめいったり落ち込むことなく、
前向きに積極的に過ごすことができるだろうか?
とオリジナルのサポートを考えることができるようになると思います。
 
最初は相手のペースに合わせることは非常に苦痛です。
自分たちの生活のスピードや時間の流れとはかけ離れているから。
 
そこを逃げずにひとつひとつ相手の動作を感じきってみてください。
一度に全部やろうとしては疲れます。
 
買い物だけ
料理だけ
食事だけ
掃除だけ
 
それでもかなりストレスを感じる方は、
食料品を買うときだけ
料理の1品だけ
どのくらいの量を食べるかだけ
掃除機をかけるときだけ
というように。
 
事細かに動きを観察していると、
これは危ない
負担が大きすぎる
などというところを優しく「サポートの提案」をします。
決して取り上げるようなことをしてはいけません。
相手がやりがいを感じていることはとくに。
相手が頑なになって壁を作り、
拒否拒絶するようになってしまうから。
少しずつ少しずつ北風と太陽の太陽のように、
あたたかく見守り照らしてあげてください。
 
気をつけることは、
サポートする時、
嫌味などネガティブな気持ちをぶつけすぎないこと。
あなたの努力は水の泡になる可能性が高くなるから。
 
高齢者のペースを知ることで、
わたしにはメリットがありました。
「無駄に急ぎ過ぎている自分」に気づいたのです。
 
自分らしく生きるのに必要なことは何か?
そういうことを自然と意識できるようになる。
年を取ることをどうやったら楽しめるのか?
考えられるようになる。
 
相手のペースを知ることは、
自分のペースを知ることでもあります。