旅のことばカードから私の話を書くブログシリーズです。
旅のことばとは?
カードの16から32は[家族のことば]です。
認知症両親と家族に寄り添ってきたわたしのことばを綴ります。
【見えている世界25】
同じ側に立って寄り添う。
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症状によって、本人がまわりの人の認識や記憶とは違う「事実」を訴えています。
そのとき
本人の言うことや感じていることを単に否定しても、逆にそれに話を合わせても、信頼関係が損なわれる恐れがあります。
そこで
本人の言うことや感じていることを、否定も迎合もせず、《見えている世界》として受け入れて行動します。
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・若年性アルツハイマーだった母
・脳血管性認知症を発症した父
とくに若年性アルツハイマーだった母は、ときどき幻視があるようでした。
今思えば、それはレビー小体型認知症特融の症状のように思いますが、母の症状が顕著に出ていた当時、そのことにわたしも主治医も気づいていませんでした。
また、テレビで見たニュースを自分が体験したと言ったりすることもありました。
そのとき
わたしたち家族は当初、母の言うことや感じていることを否定して、いちいち念入りに訂正したり、事実ではないと確認したりしていました。
しかし、母は納得しません。納得しないばかりか、怒り出して、この出来事が間接的直接的ないわゆる徘徊の原因になっていました。
信頼関係が損なわれることを危惧したわたしは、母に話を合わせてみることにしました。すると、母は少し落ち着きました。でも、話を合わせることがわたしにとっては苦痛でした。
そこで
自然と、本人の言うことや感じていることを、否定も迎合もせず、受け入れて行動するようになりました。
例えば、母が言うことに対して、
「お母さんには、○○が見えていて、△△に感じるんだね~」
「お母さんは、○○を経験して××だったんだね~」
という風に答えます。
母の言葉を受け入れ全肯定し、わたしがどう感じているかは排除します=否定も迎合もしない。
そうすれば、母が今経験している事実は尊重され肯定され、わたしは嘘をつかず正直でいることができます。
すると、母との関係やコミュニケーションに不都合は起きません。
母のことばを肯定することで、わたしは母と同じ側に立っています。
それは母にとって安心な世界です。
寄り添うとは、安心を共有すること。
わたしの事実=見えている世界と母の事実=見えている世界が異なる所は、母に指摘することではなく、病気の症状としてノートに記録しておくことです。そうすれば、母に何が起きていたのか?どういう対処法や、お薬があるのか?ないのか?知ることができます。
同じ側に立って寄り添うことで、日常をスムーズにおくることができ、お互いのストレスを減らすことが可能です。
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松元佳子
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