義父が自身の叔母の介護のために鹿児島に来てからというもの、義父の通院に付き添うことが多い。
その時驚愕したのが、義父が医師や看護師の話を聞いているのに、
・話を聞いていなかったかのような理解度のなさ
・自分に都合の悪いことは聞こえていない
・自分に都合の良いことは誇張して記憶する
・検査や治療について正しく理解できない
・医師や看護師の話を遮って自分の話したいことを話し出す
などなどあげだしたらきりがない。
病院で医師や看護師の話を正確に理解できないというのは、致命的。
医師や看護師は事実を話しているにも関わらず、義父本人が無自覚に事実を歪曲して思い込み決めつける。
誤解というやつだ。
なぜ義父は人の話をきいていないのか?
都合のいいように誤解するのか?
話の内容のほとんどが義父にとって受け入れがたい事実、と推測する。
受け入れがたいから、見聞きしたくない、と無意識に遮って事実を塗り替えてしまう。
それは、義父の過去のトラウマやブロックが強いということだろう。
無意識なのだから、潜在意識。
義父の子どものころの話を義父の妹に聞いたことがある。
戦時中は満州にいた。
満州での暮らしは贅沢だったそうだ。
戦後、命からがら日本に戻った。
両親は離婚し、親族の家を転々とした。
義父は実母の戸籍に入り、実母を助けながら生きてきた。
そして実母は再婚する。
再婚相手は、どこか抜けた人で義父は経済的に苦労し続けた。
多感な幼少期の生活の格差や差別が義父にトラウマやブロックを数多く作り出したのだろう。
その後も苦労し続けた。
数々の恐怖や命の危機から義父が経験し自分を守るために体得したのは、「人の話を聞かない」ということだったに違いない。