母の壊れた部分入れ歯がいつまでたってもできないので(自己比)、
訪問歯科診療に付き添いました。
付き添いしたら早く部分入れ歯が出来上がるといいな~と期待してw
部分入れ歯が壊れて、2か月以上たった。
その間母は刻み食。
何をどのように食べられるかというのは、
食べることが楽しみな母にとって、
一日を快適に過ごし楽しく過ごすためにとても大切なこと。
そして両親も私たちもたのしみな面会時のおやつ。
差し入れのおやつは母が食べやすいものを選ぶため、このところ選択範囲が超狭まるのが残念。
さて訪問歯科診療の様子です。
ちなみに、両親の暮らす施設では訪問診療に家族の付き添いは必要ありません。
いよいよ訪問診療スタート。
先生と助手2名がいらっしゃいました。
母。
何がはじまるの?と動く人じっと見ています(本能的な自己防衛反応)。
馴染みの先生を覚えている母。
緊張しながらも先生の声かけに集中。
わたしは母の反応に集中し、見守ります。
わたしは基本見守るだけ。
母のイレギュラーな反応や補助がうまくいかない時だけサポート。
意外とスムーズに型合わせ。
下の部分入れ歯を入れます。

お口はプライベートゾーン。
母は自分に触る人に過剰反応。
過去に乱暴な扱いを受け、痛い思いをしたことを忘れておらず(本能)、人に触られることを極端に嫌がるようになっている。
そして、歯や歯茎の痛みは特別過敏。
よって部分入れ歯の出し入れは最難関。
1回で部分入れ歯を母のお口に入れるのは難しい。
先生は母の目線より下の位置から
母と超こまめにコミュニケーションを取りながら作業を進めていきます。

母の頭が固定されておらず作業がしにくい場合は補助します。
母は、頭というプライベートな場所を知らない人にいきなり触られるのを嫌がるため。
母の頭を触るときは
、母が抑えられているという圧迫感をもたないように
(攻撃されているとかんじないように)
言葉かけは必須です。
例えば、
「頭が動くと危ないから支えるね~!」など。
母は、言葉の指示を理解するのは難しいですが、声かけは必須です。
声かけがあると安心し落ち着いて介助を受け入れてくれますから。
それで頭を支えるとき母が圧迫感を感じて、
「怖い!不安!」と思ったとたん、
治療不可能になる。
怖さと不安を感じた母は、
・声を荒げて騒ぎだす
・口を触らせないよう動き出す
など。
普段は助手の方々のお仕事ですが、
私がいる場合は、
なるべくスムーズに治療を終えたいので(母にかかるストレスを軽くするため)、積極的に手伝います。
助手の方々。
認知症の母の治療やケアに恐れや不安を抱くことに気づき、それを取り除くために、
顔や口を触ること、
これから何をするのか?
今何をしているのか?
という状況説明の声かけ
を積極的に出来る人は残念ながらほとんどいません。
無意識に作業に没頭してしまう。
その結果認知症の母は、無言で知らない人が自分のプライベートゾーンにずかずか踏み込んでくることに恐怖を覚え暴言暴行動となる。
治療できない。
という悪循環。
認知症の方へのコミュニケーションは意識的に、過剰なくらいが丁寧で程良いのです。
認知症の母は常に不安と恐れるがあり、言葉をよく理解できません。
空気はすごく読めます。
すぐに自分の今の状況を訴えます。
母は、自分に接する人がもっている空気感としゃべりのトーンで、
相手が自分に何をしようとしていて、
自分はそれに対してどう対応したらいいか?
ものすごく思考していると思われます。
このことから、
私は母に状況を実況中継しながら、軽く補助している状態が↓の写真。(写真を撮るため片手ですがもう少し横を両手でどこかに支点を作って補助するのが良い)

母の精神状態が安定していると(安心していると)
先生の指示を空気感で読んで従えたりすることもあります。
かみ合わせのチェックの様子↓
(母はすごく頑張っています)

そして、部分入れ歯の型取りが終了。
ワックスをその場で熱してはりつけたり、
削ったりする精密な作業。
これで次回はようやく部分入れ歯の調整に入れそうとのこと。

父の検診風景。
歯茎のはれなどのチェック。

先生は検診中にも声掛けを忘れない上に、
父を笑わせたり素晴らしいテクニックをたくさん持っていらっしゃいます。

口腔内全体、歯、部分入れ歯の状態をくまなくチェック。

父の希望で、歯科助手にブラッシングしてもらいました。
痛いところもあるようですが、
すっきりきれいになるのは気持ちがいいという父の希望で、
ブラッシングをしてもらっています。
型取りが終わった母にリラックスしてもらうために、
手をつないで立ち上がりからだの緊張をほぐします。

1時間ほどで終了。
この後、食堂で母のおやつの介助をしながら、
おしゃべりを楽しみました。
口というプライベートな場所。
在宅介護の時、治療はもとより、
歯磨きや入れ歯のお手入れは、かなりの難関。
時間も手間もかかります。
母の負担にならないよう、
お口のお手入れが嫌いにならないよう、
介護の中で特に気をつかってきた場面。
排泄ケアと同じに重要な口腔ケアなのです。