生きている以上、なるべく
分や家族の食にこだわって、
いつまでも健康であることこそ、
その人の願う人生が歩める、
と信じている人は多いことだろう。
けれども残念ながらそうではないこともある。
それは、
私の母であり、
母の家族である私たちだ。
我が家は5人家族。
父、母、わたし、妹次女、妹三女。
母は食や健康への関心が強く、
体によいものを求め追求していた。
母は、
野菜は無用薬で手作りのものにこだわって、
自分で土から作って食事に気を使っていた。
私の祖父母たちに、
野菜の作り方をいちから習ったそうだ。
調味料は作れるものは作り、
その材料にもこだわっていた様子。
子どもの頃の私たち3姉妹は。
駄菓子は禁止。
清涼飲料水も禁止。
添加物が入った食品は食卓に上らなかった。
そして。
私は小児気管支炎にたびたびかかり、
妹次女が子どもの頃、
原因不明の皮膚病になったり、
妹三女が子どもの頃、
原因不明の病気で長期入院したりした。
この三姉妹のそれぞれの病気は、
今思えば心理的なストレスが原因だったのではないかと思われる。
ここでは詳しく書かないけれども、根拠となる事実がいくつもあった。
両親は。
父は50代で脳卒中で倒れた。
そして母自身も50代になってすぐ、
若年性アルツハイマーを発症。
ふたりとも認知症になった。
現在は家族5人、それなりに元気。
もちろん人の体は食べたもので作られる。
だからこだわることに、
意味はある。
実際私たちはそれなりに元気だ、
いまのところ。
食や健康へのこだわりが、
自分や家族のストレスになってしまったら、
逆にからだに悪いということもある。
食べるものもだけれど、
ストレスの方が健康に与える影響は格段に大きい。
どんなに素晴らしいと信じるものを食べていたとしても、
ストレスが大きければ病気になる。
食事も大切だけれど、
過剰反応する必要はない。
どんなに無添加や自作の野菜とこだわっていても、
そもそもそれをとりまく環境は変えられないし、
その過程のどこかで知らないうちに、
あなたの怖れている添加物や肥料や農薬や
種子作りのための操作を受けている可能性は高い。
「ほどよく」
という言葉のもつ意味を考えてほしい。
どうやって食が作られるか、
その過程を知ることは大切だけれど、
その過程の中に落とし穴がたくさんあることを知っているだろうか?
母の後ろ姿から学んだことのひとつは、
「何事もほどよく」。
松元佳子
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