両親とも認知症だというと、
「(ご両親は)何もわからないのでしょ?大変ね!」
という方がいらっしゃいます。
 
いえいえ、そんなことはありません。
わかってます!
空気だって読めます!
ご覧の通りの大爆笑(笑)
 
そんな両親。
父は脳血管性認知症で要介護4、
短期記憶はなく、最近は昔の記憶も曖昧になってきました。
 
母はアルツハイマー型認知症で要介護5、
記憶力はほぼありません。
言葉も決まった言葉を呪文のように唱えることが多く、
相手のしゃべる言葉だけでは理解することがほとんど不可能。
 
例えば、
久しぶりに面会に行くと。
 
わたし:こんにちは!
母 :(誰?何喋ってるの?)ポカーン
 
それでも。
体調が安定して私が誰かわかってくると。
 
わたし:お母さん、あのね~嫌なことがあったの~。
母 :うんうん(頷く)
わたし:お義父さんがね、運転免許を返上してくれないの。自信満々で運転してるけど、車が傷だらけなんだよ~。危ないでしょう!!!
母 :(空気を読んで)うんうんと頷く。
わたし:困ったもんだよね~!
母 :困ったね~!(私の言葉を真似してしゃべってくれる)
 
母の手を握りながら愚痴をこぼします。
母は、一生懸命聞いてくれます。
母はとても安心して、安定した状態になります。
 
父の場合は。
 
わたし:お父さん、相談があるんだけど。
父 :どうしたとや?(どうしたの?)
 
という風に、真剣に私の相談事を聞いてくれます。
もちろん、解決はしません(笑)
でも、相談されることに父が喜びを感じていることは、よくわかります!
 
このように認知症が進んでいる両親ではありますが、
ちゃんと話を聞いてくれるのです。
 
両親ができないことでも、
お願いしたり頼りにすると、
とても喜んで役に立とうとしてくれます。
それは、入院し寝たきりになったアルツハイマー型認知症の祖母でもそうでした。
 
このような心の通ったささやかなコミュニケーションは、
お互いの安定と穏やかな時間をもたらしてくれます。
 
認知症の両親は、
何もわからない!
何もできない!
役に立たない!
ということはありません。
 
何か役に立ちたい!
何かしたい!
そういう気持ちがあるのです。
それで自分で何とかしようとして、
何かをしでかしてしまう。
 
だから、
両親ができることをわたしが探してお願いすればいい。
 
つまり、
「人はどんな状況になっても誰かに頼りにされたり、役立ちたいという気持ちがある。」
覚えておきたいことです。
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松元佳子