生活上の動作を全介助が必要なアルツハイマーの母。
今の出来事もすぐに忘れてしまって覚えていない父。
そんな二人ですが、私たち姉妹が施設を訪れると、笑顔で迎えてくれます。
「会いに来てくれてありがとう!待ち遠しかった!」
そんな表情や言葉です。
三姉妹それぞれが忙しくて週に1回の面会が出来なくても、離島に暮らす三女が2か月3か月と会いに来れなくても、両親はちゃんと覚えてくれています。
娘に向けるいつもの表情や言葉を今でも感じることができるのは、私たちにとって最大の喜びです。
「認知症って何もかも忘れてしまうんでしょう?何もわからなくなるんでしょう?」
って言われることが多いですが、いえいえそんなことはないんです!
忘れてしまってできなくなることもわからなくなることもあります。
だけれども本人は一生懸命伝えようとしているのです。
向き合っている人が、そのことを理解しようと五感を研ぎ澄まし最大の努力をし、あきらめさえしなければ、お互いは分かり合える存在です。きっと死ぬときまで。
認知症両親は現在、介護付き有料老人ホームでふたり一緒のお部屋で自宅で暮らしていた頃よりずっと穏やかに、しっかりと暮らしています。
在宅介護でどちらかの症状が悪化したとき、大丈夫な方も悪い方に症状が傾き、介護がより大変になるという悪循環をうむような状況に陥っていました。
そのため私たち姉妹は、父の水頭症手術をきっかけに、両親の施設暮らしを模索。
その当時つまり2年前と現在を比較すると、両親の精神状態や体調はずっと安定していてその頃より元気になって周辺症状も安定しています。
認知症の本来の症状さえも安定し、家族に過度の甘えが出なくなり、施設という社会での両親それぞれの個性が生きているように思えます。
若年性アルツハイマーを発症した母。
発症した頃から23年たちました。
精神的に安定し健康管理できていれば、母も平均寿命まで長生きできそうな勢いです。
すでに父なぞ男性の平均寿命を超えました(笑)
すでに父なぞ男性の平均寿命を超えました(笑)
松元佳子
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