現在認知症の両親は、介護付有料老人ホーム暮らし。
その施設で、年に1回施設入居者の家族と運営懇談会というのがあるらしい。
運営懇談会ってなんだろうなー?と思いながら妹次女と共に出席。
内容は、
○昨年の行事説明と今後の行事説明
○最近の社会福祉施設での出来事と当園の考え方
○介護保険の現状と展望
○看取りについて
○介護支援専門員(ケアマネ)からのお知らせ
○質疑応答
 
意外だったのは社会福祉施設での出来事の中で、
老人施設に義務付けられた行政への報告「ヒヤリハットと事故」
の月別件数と内訳、取り組みなどを細かく説明があったこと。
どういう状況で起きたのか、
どう対応したのか、
今後どうするのか、
などを分かりやすく解説。
母が以前いた施設では、そういったことを取り繕うような説明が多く
不信感を抱いていたので、自分の親以外に起きたことを教えてもらえる
というのは、誠意が感じられる気がした。
そもそも「ヒヤリハットと事故」は両親を自宅で見ていたときも
多々あったわけで、自宅での事故の確率の方が断然高い。
報告のあったヒヤリハットと事故は、
施設運営に問題があるというレベルのものではく安心した。
 
介護保険の現状と展望は、少子高齢化で予算削減の方向ということや、
行政から施設に対して規制や要件が厳しくなっているとのこと。
両親のいる施設は、入居者思いでサービスをより自然に生活者の目線に沿って行っている
と私は感じているけれども、例えば施設の営利目的に走る経営者もいるのは確かで、
自立支援に基づいたケアであるか、過剰介護になっていないか、など行政の施設に
対する規制が厳しくなることで、逆に利用者が自然な生活のリズムやなんかを失う
こともあるという危機感を感じるところもありました。
 
今回懇談会の内容で興味をひいたのが、看取りについて。
実家で介護していたときから、看取りについて興味がありました。
看取りと言ってしまえばというか、言葉そのものの意味より、
実際、親自身や自分たち姉妹が「死」についてどう考えるのか
決めていたとしても、実際その時がきたら動揺してしまって、
本人の希望に添えない結末にしてしまう可能性も大いにあると、
数々の話を聞いたり、第三者として体験したりしていたので、
そもそも看取りとは?ということが気になっていました。
「自宅や施設で死にたい」といっても、
老衰でゆるやかにその時がくるのか、
やはり病気として病院で死ぬことになるのか、
はたまた施設の方針で施設での看取りはしないというところもある。
施設で看取りと本人や家族が決めていても、
当直の職員の判断で救急車で病院に搬送されることもある、
というところを知っていたので、そこまで突っ込んだお話しがあるのか?
実際は、具体的な内容をプリントに書いてあり、
その場合の家族の事前検討事項として必要なことが明記されていました。
さらに、説明を具体例とともにお話しいただきました。
わかりやすくて有り難いと感じました。
 
両親がらみで出会った介護関係者の中で、
こんなにはっきりと例をあげて家族に説明する経営者に会ったことがありません。
みな自分たちを守ろうとするあまり、責任の所在ばかりを説明したり、
肝心な内容に答えない人たちが多かった中で、
家族の気持ちになって考え努力してくださる姿勢に感じ入りました。
人の命を預かる仕事は責任の重い仕事です。
それをわきまえさらにできるだけ踏み込んで努力する姿勢が嬉しいものでした。
両親の表情が落ち着いて穏やかになったことでも、
経営者の方々の努力がわかるというもの。
参加できてよかったです。
 
父が言ってました。
家で母と二人で暮らしていた時より不安や心配が少ない。
安心して穏やかに過ごせる、と。
 
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