昨日。
認知症の父の通院付き添い日。
父にできることは父のペースでやっていただくというのが、私のスタンスです。>見守ってると、ものすごくスローなんですが、父にはきっとあっという間なんでしょうね。
この頃は、準備するといっても何を準備していいかもわからないようなので、父に聞かれたら答えるという感じになってます。
通院には、タクシーを頼みます。
タクシーを頼むのは父の役割です。
つまりタクシー会社に電話する。
この一連の様子が、父の頭の中の状況を反映してるので、興味深くでもさりげなくこっそり観察しつつの会話です。
まず。
私:お父さん、病院行くからタクシー呼んでくれない?お願いしま~す!
父:タクシーの電話は何番だったかな?
わたしの心の声:おぉ~、電話番号は認識できてるぞ!よしよし!
私:電話番号?いつもお父さんにかけてもらってるから、わかんないよ~。何番だっけ?
父:○○○-●●●●かな?>といいながら受話器を持ってボタンを押す。
私の心の声:よし~、いい感じじゃないですか?!今日は番号を思い出せてるよ~~~!!!すばらし~~~!
タクシー会社の電話担当さん:○○交通です。
父:しばし、ぽか~ん。>瞬時にあっちの世界に行ってる感ありあり。
こしょ(わたしの名)、○○交通さんだって!
わたしの心の声:え~?!自分で電話かけたのに、かかってきた電話を取った設定に変換されてる~~~!これは初パターンだ~~~!
私:タクシーお願いしますって!
父:タクシーお願いします。えーと(かなりの間で突然覚醒的な表情)、××の△△です。
わたしの心の声:今日は突然スイッチが切れたり入ったりするのか?いつもに増して重症なぼんやり具合だし~。またどこかの細胞が死んじゃってる?む~~~!
私:お父さん、電話かけてくれてありがとう!じゃ、病院行こうか!
父:(振り返って)タクシーを呼んだか?
わたしの心の声:振り返ったら記憶なくなるのね。今日は調子悪いほうなのか?>脳の働きが悪い日(父比)は動作が入るたびに記憶がなくなる感じ。
私:呼んだよ~。
父:そうか!
…。
父。
学生時代からハーモニカをふいていまして。
主治医の先生、通院日にはハーモニカを持ってきて、1曲お願いしますって言ってくださいます。
父のために。
看護師さんたちは、純粋に楽しみにしてくださる方もいらっしゃいます。
ありがたいことです。
だけど、父。
この2カ月は、ハーモニカのことをすっかり忘れてる。
持っていくということを。
だから。
それとなく、会話に、病院でハーモニカを1曲ふくことを、先生や看護師さんにリクエストしていただいてることを織り交ぜてみるのですが。
反応なし。になってます。。。
残念だな~。
ので。
父に、「ハーモニカ持った?」
からはじめます。
自宅にひとりでいると、脳の機能は停止状態が多い様子。
不安も感じることが少ないらしい。
母なんて、父よりよっぽど何にもできなく、言葉もしゃべれなく、っていう状態だけど、すぐ不安になってそわそわ不穏になるのに。。。
認知症の種類が違うけども。。。
で。
父。
わたしとしゃべり始めると、すこしずつエンジンがかかり始める感じ。
病院で、受付のお姉さんや看護師さんとしゃべると、一気にスイッチオン!
かと思いきや
2カ月くらい前までは、一気にスイッチ入ってたんですが
しゃべってるうちに徐々にエンジンあったまる感じ。スロースタート。
昨日は。
先生:ハーモニカ持ってきた?
先月の受診日は忘れてた。
父:ぽか~んっ!
私:ハーモニカ、ズボンのポケットに入れてたよね?!
父:(ズボンのポケットをズボンの上からゆっくりなんども触り確かめながら)
入ってるぞ。
それ以上の動きの気配なし。。。
先生:○○さん(父の名前)、今日も1曲ハーモニカ聞かせてくれないかな?
看護師さん:○○さん、わたしたちも聞きたいな~~~!
父:(ゆっくりと。これまでは、即座に取り出せてたんだけど。)
ハーモニカはあるよ。
といいながら、取りだす。
…
先生:1曲ききたいな~。
看護師さん;ぜひお願いします~。
わたしの心の声:どうやらハーモニカっていう単語がわからなかったのか?くぅ~!そこまで!ひどくなってるのか?ということは~。
私:(ハーモニカをもって父に)お父さん、このハーモニカで好きな曲をふいてみたらどう?
先生も看護師さんも楽しみにしてくださってるよ~♪
(といいながらケースからハーモニカをとりだすように誘導してみる)
父:(やっと回路が繋がったらしく演奏:里の秋)
ミニ演奏会、感動の嵐で終了。
わかっちゃいるけど、がっくりするというか、残念という気持ち。
父本人は、演奏して喜んでもらって、一気に通常モードになったみたいだけど。。。
世間的には遅すぎるってやつ。
終了です。
忙しい中、時間をさいてお付き合いくださる先生や看護師さんたちスタッフ。
その自然な態度が嬉しいです。
待合椅子で順番待ちの次の患者さんと付き添いの娘さん
父とわたしよりず~っと先輩、嫌がるどころか、拍手と賛辞まで。。。
ありがたいことこの上なし!
繋がるコミュニケーションと優しさの和♪
自然体がいちばんですかね~
それぞれの時間のなかで今を共有できることのしあわせ☆
父といる時間に学ぶこと。知ること。しあわせ。ふふふ。