ピンチヒッターというと。


期待とうらはらの緊張感と、いろんな気持ちが湧いてきます。


「やったるで~!」「失敗しないだろうか?」




月ようから火曜にかけて。


両親と同居している妹三女が職場の送別会兼慰労会でお泊りというので、わたしがピンチヒッターとして、夜から朝にかけての両親の生活補助に赴きました。


いつも妹三女がお世話になっている(介護を理由に有給をとらせてくださる優しい方々です)職場のみなさまのお泊りとあらば、ピンチヒッターをひきうけないなんぞ、女がすたるってもんで。←気負い感ありあり!


わたしがピンチヒッターだからといって。

両親の極々ありふれた一日の数時間にはかわりなく。

ゆったりすごせたらなぁ、和んでもらえたらなぁ、という期待と、母が豹変したり、父が豹変したらどうしよう!という不安を忘れるべく。

介護という気負いを忘れて、日常の家族の一こまに埋もれるべく!←それこそがしあわせってものなんだから♪


ストレッチと深呼吸をしてからでかけました。

気持ちもからだも、リラックス☆



夜。

この日は、ヘルパーさんが夕食をつくってくださる日だったので、食事が終わるころを見計らって自分の食事は済ませてから実家へ。

希望としては、1時間くらいの見守りで終わったらいいな~って思うのですが。

実際は、1時間半です。


何をするかというと。


・服薬のチェック

・食事の片付け

・デイから持ち帰った衣服などの洗濯

・翌日のデイの準備(お風呂に入る時の着替え、おむつの補充、服薬補充、連絡帳の確認など)

・入れ歯洗浄と歯のお手入れ(母)

・トイレ誘導(母)

・おむつ交換(母)

・水分補給(お茶、ポカリ)

・今日の振り返りと明日の予定の確認(父)

・火のもとと戸締り確認


ざっと思いつくのがこれくらい。


このごろ記憶力低下著しい父は、思いついたことはその都度対応しないと忘れちゃうので、そのお相手もしながらというところが、骨が折れるかしら。。。つまづく感じかしら。。。


母は、アルツハイマーの進行で、もはや何もできなくても(言葉の理解さえ難)、専業主婦で家庭と自分と父の親の面倒もパーフェクトにこなす人だったので、家事にいまだプライドをもっていらっしゃるのです。←母、物心つかないころから祖母(母自身の)と家事を手伝っていたようです。


なので。


わたしが勝手に上に書いたような日常作業をするのも、その母のプライドを傷つけないよう細心の注意を払います。

万が一にも、母を無視したり、うっかり無視しちゃったことにでもなれば、認知症特有の暴言暴行動と惨事が待っているのです。。。

いや、細心の注意でも、母の中で、不安が炸裂しちゃうことは、ままあることではあります。。。


母に、今わたしは、○○してるんですよ~。とか。

これ、片付けてもいいですか?とか。

洗濯もの、一緒に干しませんか?とか。


何かひとつ動作をするたびごとに、話しかけるのです。

笑顔と気持ちのゆとりをもつことを意識しながら。


でも、春っていうのは、すぐに不穏行動や言動がでる母。

春には、過去、様々な事件があり、病院やら警察やらのお世話になっているので。

びくびくしちゃいます。。。


認知症になると、動物的になのかな~。

春っていうのは、なかなかそわそわするのですよね~。


で。

すぐに母は不穏になるのですが。

そういうときの母の呼吸。

早くて浅い。

その母を見ているわたし。

どきどき、不安定。

イライラしてくる。

私の呼吸も早くて浅い。


ちょっと母から離れて、しばらく深呼吸。

呼吸を整えながら。

自分の思いを考えないというか、思考を入れないで、今起こっている事実だけを抜きだしていく。

その事実だけを母に知らせる。


私:○子さん(母が不穏なときは、名前で呼ぶと反応する)、もう夜だから寝るよ。寝る前に、歯磨きして入れ歯をとろう!


とかいうように。


間違っても、イライラして、


私:お母さん、早く歯磨きしようよ~~~。入れ歯したままじゃ、病気になっちゃうよ~~~。


なんていったら、母も、いらいら。病気になるというフレーズに不安を募らせさらに不穏。暴れる。。。って感じになる。

このいい方じゃ、せかす→脅すって感じだもの。

それでも、まだ悪いいい方ともいえないんだろうけど。


つまり、細心の注意は、すっごい疲労感ってなわけで。。。


何気ない日常の一コマにどれほどの奇蹟がつまっているかと驚くわけです。(超飛躍、意味不明で失礼)


自分の感情をコントロールしつつ、出来るだけ笑い飛ばしながらそれぞれの項目をクリアして、やっと就寝体制が整うまで1時間半。


この作業、妹三女はもっと気楽に、感情を爆発させながら、やってます。

所要時間は1時間弱らしい。(妹三女にインタビューしてみた)


まぁわたしのやり方は私にとってまだまだかなりの負担があるわけですが。

それでも、両親のためには、できるだけ笑って穏やかな生活のひとこまになっているのは間違いない!


母の気持ちも不安定なりに安定しているし、人への信頼感や自分への信頼感が少しでも増しているのは、実感できます。


穏やかである、というのは、すごい☆☆☆


最初は難しくても、だんだん習慣化してくるということを信じて。

気持ちが穏やかになるよう努めています。


↑このことを、感情トレーニングというんだそうで。

この1年本棚で眠っていた「感情トレーニング 和田秀樹著 新講社」というのを読んで、知りました。

なんで、1年前にすぐ読まなかったのか。。。

でも、そのようなことを、日々意識していましたけれど。

さらに、感度をあげて行けそうな予感があったり、なかったり。。。





脱線しましたが。

これは、自分のために書いているので。(反省材料)


もっと自分らしく、両親らしく、生きていられるように。

まわりのみんなが穏やかな毎日をすごせるように。

わたしが穏やかでいられるように。

自分を大切にできるように。


などと、思うでありました。




そうそう。


朝。


旦那さまを送り出し、7時に実家へ。


珍しく母はまだ寝ていて。

早く目覚めた父が、穏やかに流れる自分の時間を満喫していました。


朝食の準備をして。


父に喘息の吸引のお薬をしてもらい。


母に水分補給をして。

入れ歯装着☆


着替えをすませて。


昨夜わたしが帰ったあとひっちゃかめっちゃかに散らかった茶の間を真ん中だけ片付けている間に、父が母をトイレに連れてゆき。

すっきりしたところで。


ゆるりと、朝食。


(わたし自身の朝食は、旦那様と一緒にすませている)




<食事の最初だけ介助>

 

母はお箸をどうやって持っていいかわからず、朝食が何か分からず、食べることもわからず、パニックになって、汁ものをこぼしたり、お互いが惨事にならないように。


父が一緒に食事をし始めて、母に全部のお皿に手をつけて食べてもらうと、だんだん食事するという脳の機能が目覚めてくるみたいで、お箸を母に持ってもらい、


私:どうぞゆっくり食べてね?!


というと、


母:はい。ありがとう☆


となるのです。




が。食べはじめたとたん。

朝食の後片付けと着替えの洗濯についたら。


父:かあちゃんがトイレだ。連れていって!!!(半ば怒)


が~~~んっ!

今の今か。。。

いや、よくあることだった。

深呼吸。


わたし:はい、は~~~いっ。


母と一緒にトイレへ。


トイレに行くまでも、入って便座に座るまでも、一苦労ですが。(動作を母にわかりやすく説明していかなければならないし)


そんなこんなで。

母のおしっこは、間に合わず。

それでも、一応便座には座れたので、しばらく排尿糞がないか、待ってみて、ないようなので、お尻を拭かせていただき(ちょっと漏れているのだけど、踏んばるほどはなかったらしい)、結構大量の尿だったので、おむつ交換。


おむつ交換っていったって。

ズボン、靴下、ズボン下、おむつ。

いや~~~、体力勝負、根気勝負。


おトイレの一連の動作で、ほんのちょっとしたことで不穏行動大暴れっていうパターンになるんです。(この原因は父が作ったものです。例、せかす。できないのに母に無理やりやらせようとする。)

パンツも履かずに寒い寒いと逃げ回ったり。

何とか履かせようとしても、蹴られたり。。。(泣)


それが、もはや2度目っていう!

でも、なんとか母の気持ちを穏やかめに保って着替え成功☆


再び食事介助からやり直し!


この間、父。

じっくり、朝食を満喫中。。。


よかったね~、おとうちゃん。。。(涙)みたいな~~~。


あっという間に時間は過ぎて。


後片付けも洗濯も出来ないまま。


なんとか母の朝食が終わって、服薬終了したところで、デイのお迎え!!!

歯磨きする暇もなく、母を送り出す。


送り出すといったって。

玄関ががらがらと(引き戸タイプ)あいたとたん、母の不安スイッチがオンになり、暴言暴行動がはじまりまして。(ここ数年のお決まり行動)なかなかデイに行こうとしない。

茶の間のテーブルから動かない。

捕まえようとすると逃げる。

とか、とか、とか。


この頃、母の呼吸のタイミングにあわせて、大きな声でリズミカルに。


私:さっ!行こうか?一緒に行こうよ!


と声をかけ。


一瞬母のスイッチがオフになり。


母:じゃ、行こうか?!


で、素早く立って。

笑顔でゆっくり、行こう!いこう!といいながら玄関へ誘導。

私が先に靴をはくよ~といいながらたたきに降りて、母の手を握ったまま靴をはき、母の靴をそろえて、「さぁ、どうぞ!」と誘うという。

母のつま先をポンポンとたたき、靴をはくということを、思い出してもらうという感じでゆっくり誘導。


どうやら家から出るのが不安らしく、また父が一緒に行かないからパニックになるらしく。


父に、「ちょっと立って玄関まででてくれない?」と声をかけ。

母に、「お父さんもきたよ~」といい。


徐々に徐々に不安解消。


デイのスタッフさんは、慣れたもので、根気よく、大きな声でリズムよく、母に声かけ。

決して、誰かの声とかぶらないように。(声がかぶると母がパニック、何か失敗してしまったように感じるらしい)


スタッフさんとわたしで、両脇をかため、母に安心感で笑顔が戻るように、会話☆


「今日はいい天気ですね~」

「ドライブ、気持ちよさそうですね~」

「カラフルなお花が咲き始めましたね~」


キーワード:ドライブ、花、いい天気


とかなんとか。

母の気分が盛り上がってきたところで、送迎バスへ。


この日は最短でしたよ~。3分くらいかな?!

いってらっしゃいと送り出す☆

バスが見えなくなるまで手を振る☆


その後、ようやく後片付け、ゴミ出し、洗濯。


ふぅ~~~。

朝も1時間半。



ピンチヒッターは、無事大役を務めあげたのでした。(疲労&達成感)


ま、朝の仕事は。

妹三女は、朝ごはんの準備とできて着替えまでだといっていました。

そりゃそうだ。遅刻するからねぇ。


これして、仕事してるなんて、心底尊敬☆


なんて長文なんだ!

お付き合いくださって、ありがとうございました。


濃い時間をすごすと、長文なんです~~~、お許しを。。。m(_ _ )m