いまごろの時期になると、田んぼは | すずめがチュン

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アケノさんを取りまく風景をおとどけしてます。











2014/7/10 撮影

 いちめんの、レンゲソウで、


   ピンク一色だったのに・・・・


 そうでなくなってから


    もう大分たつ、



 娘たちが、小さかった頃は


    まだ見られた、れんげ草が


  いつの間にか なくなって、


    もう、どれくらい?・・・・


        


    田んぼは


   春を迎えても、ピンクのお色直しを


    しないようになった・・・・



   蓮華草の咲く


     田んぼ沿いの道を、ゆっくり


       歩きながら、


    時どき、立ち止まり


     そこから、手をのばして


    こっそり、


      一掴みのレンゲソウを


         甘い香りといっしょに


           もち帰る、


   ガラスのコップに挿して


    食卓におくと、


     へやの中にも、春がやってきた、


      それがなくなって




 すっかり地味になった田んぼは、


   いつの間にか


      砂利でかためた


        駐車場になり、



  娘たちのアルバムにある


     裏のレンゲソウ畑は


        二枚つぶして


      洒落た、マンションに


        変わった、



  どんどん、田んぼがへってゆく・・・



    そんな中でも、


   相変わらず、米を食べ続けている


      わたし達、



   四人の孫をさずかり、


    その成長を見守りながら


      感じてきた事のなかに、


      おもしろい事が


        ひとつある、




  上のふたり、


    マルちゃんと、ホノちゃんは


       ある時期、ごはんしか食べなかった




    オカズも なんにもなしで、


   ただ、白いごはんだけを


      もくもくと食べていた頃が


          あった、




   「なに、食べたい?」


      と言うと、


     きまって、「おにぎり」 と、いい


      そのおにぎりにも


        こだわりがあって、


      気を利かせたつもりの


        フリカケなどを、混ぜ込むと、


       「・・・・いらない」 と言って


         口にしない、


       ほんの少しの、塩をまぶした


         塩むすびがいいらしい、




     それを、じつに旨そうに


        ほおばる様子を 見てると、


  ふと、何かの力を・・・・


     無意識に、お米を選んでいる


       大きな意識を感じずには、おれない



     ずっと、お米を食べつづけてきた


       日本人という歴史の中に、


          新たに加わった


           メンバーふたり、


       まずは、その大事な命を


        つないでゆくための


          お米を、


         しっかり、身体に覚えこませるために、


          しばらく、お米だけを


           食べつづける・・・・




        そんな作業を


           ナニか大きな意識が


            させているような・・・



       白いだけの、三角むすびを、


         「 おいしいね、」 「うん、」 と


           旨そうにほおばってる


              二人は、


          もう すでに、


           誰よりも、日本人に


             見えるのです、



    四方を海に囲まれ、遠い昔から、


      地震や、津波や


        あらゆる自然災害に


       繰りかえし、脅かされるのに、


         ずっと、ここに


         住みつづけている私たち、


        どんな困難に会っても、


          いつの間にか、のりこえ


         歩き出す私たち、


          

      それが、できる力はどこから?


         それは、


       当たり前のように、


        私たちが、食べ続けてきた


      食べ物のなかに、


         あるような気がして


           ならないのですが・・・・




      


    つづく