日曜日の晩は、
早めに、夕食もお風呂も済ませ、
珍しく、遊びに来てた妹が、
「 あしたの お弁当つくってくれるんだって、
・・・なんか、手伝わなくていい?」
と言うのを、
「 いいよ、あなたも、今日は早く ねた方がいいよ」
と帰らせ、急いで 弁当作りに 取りかかる、
おととし、行った時は、
まだ、お箸の使えないマルちゃんにあわせて
サンドイッチにしたけど、
あしたは、普通のものにしよう
玉子焼きに、塩ジャケ、エノキと牛とごぼう、人参のきんぴら、
焼きタラコ、煮豆、味噌漬け、
ごはんは、真ん中に海苔をはさんだ、のり弁、
ノニさんにも手伝わせて、十一時前にはできた、
「 ヒャァ~! これは、うまそうですな、
ねぇ、お母さん、」
「 でしょ~・・・・ついでに」
包んだ しら紙の上に、あけのべんとう、と書いて、
割り箸を 輪ゴムでとめると、
選んでおいた 唐子もようの、
風呂敷につつんで
下駄箱の上に置いた、
ついでに、靴も出しておく、
もう・・・完璧ではないか!
服も出してある、
バッグには、貼るカイロも入れた、
万一、寝過ごした時のために、
机の上に、メイク道具を、順にならべておく、
これだと 5分、いや3分で、いけるはず、
毎朝の薬、酔い止めドリンク、バナナ一本
これは、3分だな、
よ~し、
やっと安心して寝た、
朝、夢の中で、ダレかと話してる、
突然、ノニさんが出てきて、
「 お母さん、もう6時半よ! 起きてんのかとおもった!」
「エッ、あ、あ、いま何時!」
と、慌てて、首をもち上げた とたん、
痛みが走った、
そうか!
今日は、待ちにまった日だった、
肘をつくと、首の痛みで 起上がれない、
イヤな予感がしてくる、
まさか、行けないとか・・・・
頭もズキズキしてきだした、
「まだ、大丈夫だけど、急いでね」
身支度をすませた、ノニさんが、
「 お茶、用意しとくから」
と言って下に下りて行く、
ますます、痛みはひどくなってきている、
なんで今日なの・・・・・せっかくの日に、
と言ってみても、こうなると、
もう、どう仕様もないことは
わかってる、
痛みどめを飲んで、首を動かさず、
じっとしてるしかないのだ、
早くて、片道三時間、
その後、予定が変わって
他の処にも、行くらしいから・・・・・
そこを廻って、
帰りにまた三時間、
強行軍だ、
ムリだ、
迷惑、かけたくないし・・・・
泣く泣く 行くのは 止めにしました、
あんなに、楽しみにしてたのに・・・、
おべんとうまで、作ったのにね、
行くと決めてから、
「地球隠れ宮 一万五千年のメッセージ」 を
本屋で見つけた時は、
飛び上がるほど嬉しくて、
急いで、二回も読んだのに・・・
私の首よ、どうして ストライキをおこした、
もう一日、たった一日、なぜ待てない、
三時ごろになって、ようやく痛みも軽くなり、
ひとり、あけのべんとうを食べました、
卒業式にでれなかった夢、
もしかしたら・・・
これだったんでしょうか、
つづく