スゴかったよ!、
た~くさん、ヴィジョン 見えて、」
「 聞いたよ!、アレ?」
「うん、・・・・・・そうそう、これなんだけど」 と、
ケースから、メタミュージックの、
(Touching Grace )を取りだす、
「へぇ~!、やってみたいね・・それ」
「 いいよ、アイちゃんは、過去生みたいなの、
いっぱい見たんだけど、・・・・
そういうのも、いいしね・・・・まぁ、なんでも、いいよ、
さっきのみたいに、
声は入ってないから、・・・・夜の海岸も出てこないよ、」
週に一度の休日の、最後のお楽しみに、
なにか、面白いもの、嬉しくなるモノを見たいよね、
暗い海なんかじゃなくてさ・・・・
と思う、親心、じゃない、姉ごころ、
「 じゃ、始めるよ、」
「うん・・・」
さっきより、リラックスした感じで、横になると、
一度、大きな深呼吸を してから、
「いいよ、」 と、妹は言った、
しばらく様子をみていると、
時々、 肩や足先がちょっと 動く、
息づかいも、・・・・・どうやら、寝てる感じではない、
今度は、大丈夫だ、
また、さっきの本を読みかけて、
熱~いお茶が、ほしくなってきた、
そうか、・・・、そのためには、寒々とした、居間に下りる?、
・・・・・仕方ない、
ストールを巻きつけ、空になったマグカップを片手に
下りていき、
冷え切った部屋の
灯りを点けると、
待ってたように、キキが鳴いた、
「今頃なに?・・・あ、湯たんぽか、はいはい、
ダレも、入れてくれなかったんだ、ちょっと待って」
ポットの、ぬるくなったお湯を薬缶にうつし、
沸かしなおす間、
婆さんネコのキキを抱いて、
冷たくなった、四個の肉球を
手の平で包んで、温めてやる、
夏には、げっそり痩せてしまって、
心配してたのに、
また、重くなってる、
よかった、元気になって!
ホカホカの 湯たんぽが、
寝床に入ると、待ちかねたように
走っていったので、
私も、二人分のお茶を淹れて、
また、上に戻った、
CDは、まだ回ってる、
聞いてる方は?・・・寝てる、
しようがないね、やっぱり寝たんだ、
迷わずまた、あの方に、
今後も、うまくいった、
ほんとに、面白いほど、すぐに反応する!
「 あ~・・・・ははは、また寝たよ、・・・、」
「ほんとにね、寝てたね」
普通ならもう 寝る時間だから、
まぁ、仕方がないと言えば、しかたがないけど、
「 じゃ、なんにも見えなかったんだ?、せっかくだったのにね~」
「 そんなことないよ、見たよ!・・・・でも、あれなのかなぁ~?・・・・」
「ナニが?」
「 この前、テレビでやってたのよ、ルイ14世の、
すごく、美食家だったんだって!、
でね、宮殿の中に、王様の食事のためだけの菜園、
というのがあって、
立派な畑で、きち~んと、見た目にもデザインされた畠で、
・・・・・そこが、出てきたのよ、」
「 その、テレビで見たのが?」
「 いや、そのままじゃないの、同じ菜園でも、ないかも、
その菜園は、もうなくなってたから、
でも、そこが昔、菜園だった、というのを知ってるわけ、
・・・・そこを、見てた」
「へ~ぇ!・・・・なんだろ、」
「 そしたら、次に、大きな厨房が見えてきて、石造りの、
石壁をこう、アーチ型にくり抜いたような小部屋がいくつもあって、
中で、白っぽい服を着た、肥ったおじさんたちが、
なんか、やってたよ、
黒い、パテみたいなのを塗った、四角いちいさなモノを、
口に入れようと、パクっ、というところで、目が覚めた、
あれ、何だったんだろう?・・・」
「 さぁ~?・・・・ね・・・・」
そうか、
もう少し、あのままにしといたら、
もっと、面白い展開があったかもしれない、
「 過去生かな?・・・・・そこで、料理作ってたとかさ、
宮廷料理人!」
「 えっ! そうなの!」
料理好きが嵩じて、お店を始めちゃった妹は、
思ってもいなかった(、宮廷料理人)という
魅力的な言葉に、
ニンマリした!
「 で、それだけ?、見えたのは」
「 ううん、その前も、ちゃ~んと見たよ、これはスゴかったよ!
いきなり、ポ~ンと、宇宙に浮かんでたんだから!
星の中に、
上にある星じゃないよ、
自分の、上にも下にも、とにかく星がいっぱいある中に、
プカ、と浮かんでるの、
で、むこぉ~に、オーロラも見えた!」
「へ~ぇ、・・・いいねぇ」
「 うん、ピンクのオーロラよ、真ん中あたりが 紫で、青になって、
下が少し黄色っぽかった、
きれいだったよお~・・・ずっと、見ていたかった、
もう一度、見たいよね、」
よかった、よかった、いいモノ見れて、
姉ちゃんも、嬉しいよ、うん、
「 その、ポン、っと宇宙に飛ぶ出す前に、どこかを飛んでたよ、
もの凄い スピードで!
トンネルといえば、トンネルだけど、
象形文字のトンネルなの」
「 ナニ?、象形文字のトンネルって」
「なんか、自分の知らない字や、象形文字やなんかが、
ビュンビュン飛んでくるわけ、自分めがけて、
その真ん中を、ビューンて突きぬけて飛んでる、のよ、わかる?」
「 うん、・・・・なんとなく、
それ、なんか意味あるのかな?」
「 あるんだろうね、・・・わかんないけど、
あ、飛ぶっていえばね、もひとつ飛んでたよ、
また、ちがうトコ」
「どこ?」
「 なんか、鍾乳洞の中っぽかった!
手をこんなに広げてね、ヒューって、上に天井があったから、
土みたいな、その天井がどこまでいっても終わりがない感じで、
下には、ミントグリーンの湖があって、すぐ上を飛んでるの、
水しぶきが、かかるのがわかったよ、
ず~っと飛んでても、まだまだ広い感じだったけど、
どこか、まだダレにも知られてない、鍾乳洞でもあるのかな・・・
考えらえないくらい、巨大な鍾乳洞!」
あるのかも、
それとも、ちっちゃいちっちゃい虫になって、飛んでたとか、さ。
つづく