「山に行ったら必ず何か持って帰るべし」

 

そう教えてくれたのは前職の上司だった。前職の上司はそのまた上司に教わったそうだが。

“何か”というのが何なのか、悩む。季節によってはそれは簡単で、キノコだったり筍だったりする。

 

 

でも山菜・キノコの空白期間である夏や冬には、毎回必ずとなると、毎日の食事の献立に悩むように悩む。やがて、食料の範囲を超えて、有用な素材を探せるようになると悩みから解放される。

器や食器などの簡単な工作のための、あくまで運べる程度の大きさの木材や枝、編み物ができそうなツルや樹皮。樹種が判別できるようになれば草木染めに使える素材も面白い。

 

藤の蔓で適当に作った籠 慣れなくても2〜3時間でできた。

 

イヌシデの木っ端から彫ったスプーン 

小刀と彫刻刀とサンドペーパーでできる。

 

山でフォークを削ろうとしている娘 

 

あとは収集癖を刺激するようなもの。私にとってそれは、蛾の繭であったり、カケスの飾り羽だったりする。

 

シルクは蚕の繭。蚕とは家畜化された蛾のこと。

野生の蛾の繭から糸を紡いだらそれはワイルドシルクと呼ばれる高級品になる。

 

カケスの飾り羽 この写真はうちの猫がカケスを捕獲してきたもの

フライフィッシングの疑似餌になるらしいが今のところそういう技術がない。

 

森のエビフライと呼ばれるリスの食痕(松ぼっくりの芯) 別に役に立たないが子供が喜ぶ

 

明日は何を持って帰れるかな、と素材や使い方の予習をすることもある。

何かの役にたつかな〜とまるで役にたたないものを持って帰ってしまうこともある。

役にたたなければ薪ストーブで燃やして畑の肥料にするだけだ。