山が好き。

 

都市に住んでいるころは登山にも熱中し、沢登りや冬山登山、さらには海外登山のガイドもやった。

でもほんとは、登山という行為の追求よりも、自然のなかで研ぎ澄まされていく動物的な感覚、消費生活が相対化されて見えてくることに惹かれていただけ。消費社会から離れた生活への憧れがふつふつとあり、西インドのロマ(ジプシー)、サハラの砂漠の民トゥアレグ、コンゴ盆地のピグミー、マダガスカル奥地の山岳民族ザフィマニリ等々、自然に寄り添う人たちを追っかけて、彼らの生き方を目の当たりにしてきた。

 

タッシリナジェール(サハラ沙漠)

 

キリマンジャロでのガイディング

 

ガンビア川の旅(西アフリカ)

 

秘境ンドキの森(コンゴ盆地)

 

10代のころの貧乏旅も、はじめての海外旅行でキューバに行ったときも、はじめての縦走登山も沢登りも冬山登山も単独で行ってきた。これは未知の世界という池に投げられた自分という小さな石に対する反応を、すべて漏れなく受容したいという強い欲によるもの。これはきっと僕の個性であり、その矛先は山での生活に向いている。

 

紆余曲折を経て、ただいま三人の子どもを連れて長野県南部の山間の集落で生活中。山を所有するというチャンスに恵まれ、仕事の場を山に定め、山を日常とすることに成功した。里から遠い奥山の古い森。200歳を超えるブナやミズナラの巨樹の森。木材生産を目的とした典型的な林業ではこの森は活かせない。でも、ケモノの気配が濃くて、キノコの種類が豊富で、大きな木がいくらでもあるという遜色のない天然林に少しずつ手を入れて、山生活の活路を見出したい。なんだかんだ言っても、子どもが生まれるころまで都市生活をしてきた人間としては、山間集落での生活、山での生業は細部にいたるまで発見に満ちていて、このブログではそういった細かい発見を発信していきたいなあと思う。