皆様、こんにちは。

過去の旅記を書き進めてまいります。

今回は…岩手県大船渡への旅。

旅記を書き始める前に、どうして、大船渡へ行こうと思ったのか、そのきっかけから書いていくことにします。

 

旅へ出るきっかけとなったこと。

実は、映画です。

2022年に公開された映画作品の中で、かなり注目を浴びたもの…

 

『すずめの戸締り』

大好きな新海誠監督の最新作品。

日本各地の廃墟を舞台に、九州から東北まで、災いの元となる「扉」を閉める旅に出た少女の冒険と成長を描いた作品です。

少々ネタバレになってしまいますが…

主人公の すずめ は、いわゆる震災孤児。

この作品は、「東日本大震災の鎮魂」とも言えます。

災いの元となる「扉」を閉めながら、津波で被災した岩手県の実家まで帰り、自分の心の戸締りをする、というストーリーです。

この映画を見て、被災地を想う気持ちが強くなりました。

作品にも出てくる、久しく訪れていない南三陸の街。

震災から10年以上の歳月が経ち、今どうなっているのか気になり、今回、大船渡へ訪れることにしました。

そういえば、4月5日「金曜ロードショー」で放送されましたね😊

 

 

 

~2023年1月9日~

 

2023年の旅は、東北から始まりました。

 

〈雀宮〉

東北本線 下りの始発列車、黒磯行に乗車して出発。

 

〈東北本線〉

「青春18きっぷ」残り2回分を使っての旅になります。

 

途中、黒磯で乗り換えを挟み…

 

〈新白河〉

東北本線 郡山行に乗り換えます。

 

その後、郡山、福島、白石で乗り換えを挟み…

 

 

〈仙台〉

出発から5時間、仙台に到着。

旅はまだ序盤です(笑)

仙台でのんびりしてる暇もなく、すぐ小牛田行に乗り換え…

 

 

〈小牛田〉

東北本線から石巻線に乗り換えます。

石巻線 石巻行に乗車し、前谷地へ。

 

前谷地から気仙沼線に乗り換え…

 

〈柳津〉

 

〈柳津〉

気仙沼線の途中駅、柳津に到着。

気仙沼線とは、石巻線の前谷地から気仙沼まで、南三陸の沿岸を走る路線です。

しかし、写真をご覧の通り、気仙沼線の線路が、ここ、柳津で終わってます。

 

〈柳津〉

柳津から先は、線路がありません。

多くの方がご存知の通り、気仙沼線は東日本大震災で甚大な津波被害を受けました。

気仙沼線はローカル線であり、決して採算の良い路線ではなく、鉄道としての復旧を断念することになりました。

柳津から先、津波被災区間はBRT(バス高速輸送システム)に代わっています。

JR気仙沼線という名称ではありますが、鉄道ではなく、路線バスに転換されたという訳です。

気仙沼線の鉄路は、柳津で断絶されました。

 

柳津で気仙沼線BRT 気仙沼行に乗り継ぎ、北上していきます。

かつての気仙沼線の線路は撤去し、アスファルトで舗装され、BRT専用道となりました。

トンネルや橋梁、高架橋、どれも鉄道時代のものを使用しているので、少し不思議な感覚。

BRTは、基本的に線路跡の専用道を走行しますが、場所によっては、一般道も走ります。

気仙沼線の役割を果たしながら、一般の路線バスの役割も果たしているのです。

 

バスが南三陸町に入り、清水浜駅に到着しました。

車窓から見えるのは、やけに高い堤防と寂しく感じる更地。

 

清水浜…

なんとなく、身に覚えのあった駅名。

でも、気仙沼線に乗るのは今回が初めて。

なんだっけ…なんで身に覚えがあるんだろう…

帰宅したら、ちょっと調べようと、この写真を撮ったのでした。

 

 

後日、自宅で「清水浜」の記憶を探っていると…

見つけました。

やっぱり、バスに乗っているとき「あっ!」と思った直感は正しかった。

 

〈2014年8月 清水浜駅〉 

 

〈2014年8月 清水浜駅〉

 

〈2014年8月 清水浜駅〉

 

〈2014年8月 清水浜駅〉

 

〈2014年8月 清水浜駅〉

 

清水浜…

思い出しました。

震災から3年後の夏(当時、高校2年)、家族で南三陸町へ行った時です。

レンタカーで南三陸町を走っていた時、偶然見つけた、津波で激しく損傷した駅。

それが清水浜駅でした。

その頃、この辺りでは、堤防の嵩上げ工事が行われていました。

 

この時から9年…

バスの車窓から見えた南三陸町の街並みは、大きく変わっていました。

海から少し離れた高台には、新たな住宅地が造られ、道の駅ができ…

驚いてしまいました。

 

さらに進んで、バスは気仙沼市に入り…

 

〈大谷海岸〉

大谷海岸に到着しました。

壁に「JR大谷海岸駅」とありますが、もちろん列車は来ません。

バスのみが発着する、大谷海岸駅です。

かつては「日本一海水浴場に近い駅」でした。

 

〈大谷海岸〉

道の駅 大谷海岸と併設されています。

鉄道時代も、道の駅とJRの駅が一体化していたようですね。

実はここ、大谷海岸駅は、前置きで紹介した「すずめの戸締り」でも登場します。

しかも、結構、重要なシーンで…

 

〈大谷海岸〉

 

〈大谷海岸〉

道の駅からの美しい景色。

ジーン…としてしまいました。

日本一海水浴場に近い駅として有名だった大谷海岸駅。

その海水浴場も、2021年から営業再開したようです。

 

バスは、この辺りは線路跡から外れ、国道45号を走ります。

 

〈気仙沼線BRT〉

この日の海は穏やかでした。

ずっと、穏やかだったらいいのに…

 

〈気仙沼〉

終点の気仙沼に到着。

かつての線路跡をBRT専用道にしている訳ですので、鉄道用ホームにバスが着きます。

時間は掛かりますが、宮城県沿岸の街並みをじっくり見ることができ、とても充実した乗車時間でした。

 

〈気仙沼〉

ピカチュウがお出迎え(笑)

気仙沼駅には、気仙沼線BRTの他に、大船渡線、大船渡線BRTが乗り入れています。

大船渡線も、一ノ関-気仙沼は鉄道ですが、津波被災区間である気仙沼-盛はBRTとなっています。

 

気仙沼から、大船渡線BRTに乗り継ぎ、目的地、大船渡を目指します。

こちらも気仙沼線BRT同様、かつての線路跡がBRT専用道になっていますが、所々一般道に出たりしました。

中でも印象的だったのは、八幡大橋(東陵高校)-唐桑大沢の区間。

この区間では、まさかの三陸自動車道(気仙沼鹿折IC-唐桑小原木IC)を走行しました。

路線バスが高速道路なんて走れるんだ…😲

 

〈大船渡〉

出発から約12時間。

目的地、大船渡に着きました。

もう完全に日が暮れてました😅

大船渡駅も、列車は来ない、BRT駅です。

 

宿泊先は、大船渡駅の真横にあるプラザホテル。

到着後すぐチェックインして、夕食を求め夜の大船渡の街を少し散策。

 

〈大船渡駅前〉

写真に写っている右側の大きい建物が、宿泊した「大船渡プラザホテル」です。

至って普通のビジネスホテルですが…

このホテルも津波に飲み込まれ、被災しました。

今は、震災当時の場所から移転し、新しく建て直し、大船渡駅前にあります。

被災後、再起したビジネスホテルです。

 

大船渡駅周辺の建築物は、どれも新しい印象を受けます。

津波被害がかなり大きかったエリアでもあり、街を一から造り直した、という表現が合っているように思う。

元々は、どんな街だったのだろう…

でも、大船渡の街、好きだな。

 

 

 

 

そして、夕食は…『四季旬彩 中村』へ。

大船渡駅から少し歩いた所で、「なんか良さそう…」と嗅ぎ付け、吸い込まれるように入店。

元気で気さくなご夫婦が切り盛りされているご様子。

 

大将:

いらっしゃい!

雨降ってて寒いでしょ~(笑)

どうぞ、どうぞ😊

 

僕:

こんばんは😊

寒かった…(笑)

えーっと、オススメは何ですか?

 

大将:

オススメは「浜っ子丼」!

 

僕:

じゃ~それで!😊

 

 

〈四季旬彩 中村〉

大船渡の魚介がたくさん😲

本当に、美味しかった…

 

入店するとき、やっぱり店舗が新しくて…

少し気になって、料理が来るまで少し調べました。

 

四季旬彩 中村…

東日本大震災で店舗を失い、再起まで時間が掛かったが、夫婦で乗り越えてきた…

 

なんとなく、きっと、そうなんだろうなぁ…と感じていました。

お店の暖かい雰囲気、ゆっくり流れていく時間。

本当に美味しくて、今でも味を覚えている大船渡の海鮮「浜っ子丼」。

忘れられません。

また大船渡に来たときは、食事したいと思います。

ごちそうさまでした。

 

 

 

 

 

 

 

-続-