◯夏の怖い話し|窓からのぞく女
夏の怖い話し
【第八弾】
窓からのぞく女
ある夏の夜、
会社員の男性は車で港に向かった。
夜の港の海を見ると心が落ち着く。仕事のイライラも忘れさせてくれる。
波音がはっきり聞こえるくらい、
海の近くまで行き車を止めた。
運転席のシートを倒し
波音にふけっていた。
ざばーん
ざばーん
遠くから船の音。
海側に運転席だ。
海をひとり占めした気分だった。
男性はうとうとし始めた。
すると、窓をコンコンと叩く音がした。
警備員が来たのかと反射的に思った男性。
誰もいない。
再び目を閉じた男性。
すると人の気配を感じ、
窓を見たら
髪が長く、濃い緑色をした顔の女が覗いていた。
男性は慌てて、
身を起こし、
再度、窓を見たら
女はいなかった。
ウ、ウソだろ?!
男性は車のドアを開けると、
すぐ数十センチ向こうは海だ。
ここから人が来て、
おれの車をのぞくのは難しいぞ。
幽霊を信じない男性は、
気のせいか…
そう思い、
遠方を見ると、
向こうのほうで船の作業員らしき人がいた。
あの人らがここまでは来ないでしょう。物理的にムリだ。
男性は、
せっかくのリラックスした気分が台なしになり、
港から去っていった。
港というのは、
自殺のスポットでもある。
※以前聞いた話しを
脚色して仕上げた。
ホーセイ堂接骨院
市川式骨盤調整
いちけん