2018年9月7日。

私は水上高原という場所に向かっていた。

 

翌日に開催される「スパルタンレース」に出場するために。

 

スパルタンレースとは世界最大規模の障害物レースで、

その名の通りレース中ハードな障害が数多く存在しており、

障害をクリアできないと都度30回のバーピーをさせられるという"ドS"極まりないレースである。

 

私自身出場することに何の得もないのだが、一度参加した時の何ともいえない達成感が非常に高く、今回タイム短縮を目指して2回目の出場をすることにした。

 

到着した旅館には、多くの出場者と思われる人達がおり、皆気合いが入った表情をしていた。

ただ一つ、私も含め皆気にしていたのが明日の天気である。

スキー場での開催ということもあり雨は非常に怖い。

雨振らないといいな、と思いつつ当日を迎えた。

 

 

レース当日

 

旅館を出ると結構な雨が降っていた。

 

レースの時間を迎えても雨は止むことはなく、足場はグチャグチャという最悪なコンディションでのスタートになった。

 

スタートし、経験したことのある障害物をクリアしながら、何とか順調に進んでいた。

心なしかレスキュー隊の車が目立つ。

この後自分が乗るとは想像もせずに「可哀想だなー」と呑気に感じていた。

 

そして運命の障害物にたどり着いた。

サンドバックキャリー、という名前で普段スキー場のリフトが通る坂道を重いサンドバックを背負った状態で往復するといったコースである。

 

思ったより楽に頂上まで登ることができたため、

調子に乗って下りは少しペースをあげようと思った。

その時・・・

 

ぬかるみで思いっきり片足を踏み外し、

慌ててもう片方の足で転ばないように踏ん張った・・・

 

 

パキーン!

 

 

一瞬で踏ん張った方の骨が折れたと分かった。

骨が飛び出て来るんじゃないかというような衝撃だった。。

 

驚きと焦りの方が強く、痛みはそこまで無かったが、

歩くのは無理だと思い、周りの参加者達に必死で声を掛けた。

「すいません、下に降りたら誰か呼んでくれませんか?足折れたみたいで・・・」

 

「マジっすか?大丈夫ですか!?待っててください!」

 

程なくしてレスキュー隊員が来るも山の頂上ということもあり、

車も通れず、担架も危ないということで、ヘルプ要因数人が来るまで約1時間近く倒れた場所で雨にうたれ、寒さと痛みでただひたすら辛かった。

 

レスキュー隊員の皆さんのお陰で何とか下山でき、

救護室に運ばれた。

案の定自分と同じく滑って足を骨折したであろう人々が何人もいた。

私も含め、大の大人達が半泣きで痛い、痛いと叫んでいる。

 

程なくして救急車が到着したのだが、

ここまで多くの怪我人が出るとは想定していなかったようで、

受け入れられる病院が近くにない、ということを聞かされた。

自宅が都内ということを伝えると、

都内の病院に行ったほうが良いとの事。

 

都内からここまで電車でやってきたため、

ベッドに横になりながら「どうしよう・・・」と考えていた。

実際にどうしようもできなかった。

 

 

続く