コソボとセルビアの国境問題。 | コソボ情報満載!日本とコソボの架け橋を目指すブログ!

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コソボがどんな国か?過去の紛争の情報しか知らない方がほとんどです。


コソボとセルビアの国境…今でも明確な線引ができていません。
北部ミトロヴィツァは、コソボ内でありながらもセルビア人が多く住み、
実質セルビア側の管理下にあるような状態です。

ここがコソボとセルビアの大きな課題の一つになります。
12月10日にIBMの実装が始まりました。

IBMとは、コソボとセルビアとの間の統合国境管理協定の事です。
今までそれぞれが行なっていた国境管理の形が変わります。

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目指すは、年内までに30箇所程度の国境を統合させることです。
今回はその第一弾として、4箇所の国境管理の形が変わりました。

これにより、両国間の物流の手間やコストが大きく減り、EUの考える、
正常な国交に一歩近づくことになります。

このIBM実施については、やはりセルビア側の反対が激しかったのです。
例えば、セルビア正教会からは、国家の自殺行為に値するとまで言われ、
猛烈な批判を受けています。

セルビア正教会の修道院(教会)は、コソボ内にも幾つかあるので、
実際には今の国境線でも満足していないのだと思います。

他の政党からの批判や、民間人による?デモ行為(道路封鎖など)も
行われました。

デモは、最終的に12月8日前後に解除されましたが、こういった部分が、
現在のコソボとセルビアの関係の一部です

IBMの第一弾が無事に実行されたことが、両国にとって非常に前向きな
状況であり、年内に残りの場所にもIBMが実行されることが、セルビアの
EU加盟にとっても、非常に大切な状況になります。

セルビア政府としても、様々な反対を受けながらも前に進んでいます。
その為には、両国の領土問題において、不可逆的な決定が必要であると
EUからも強く指示されています。

今回のIBM実装には、本当に多くの方の尽力が必要だったと思います。
それをどう維持管理していくのか?また長い戦いの始まりでもあります。

私としたら、これ以上こじれることなく、お互いに前に向いて進んで
行ってもらいたいのですね。