茶髪をキラキラ長く伸ばし、真っ赤なシャツを着て、膝の破れたジーパンをはいている。と、「いや、もうこの人とはとても付き合えない」とか「この人はどうしてこんな服装をしているのか」と考え込んでしまう。自分の趣味に、何かと合わない友人といると、たとえ主義主張が同じでも、気分が良くない。が、実は友人や相手の趣味は、そんなに気にする必要はないのだ。よほど非常識でない限り、「ああ、この人はこんな趣味を持っているんだなあ」と軽く流しておけば良い。

「応無所住而生其心」

これは禅宗六祖の慧能禅師が、この語によって悟りを開いたので、禅語としても名高い。人の心というものは、いちいち深い善悪の考えがあって、生ずるものではない、という意味である。彼が、赤いシャツを着たり、古いジーパンをはくのも、そんなに深い考えでやっているわけじゃない。と、自分の批判力を緩めると、イライラが減ってくる。

いかがでしょうか。日常によくある話だと思います。他人の言動や出立にいちいち振り回され「ムカつく」「気に入らない」と言っている人は、今、とても多いです。そういう人の多くは精神の具合を悪くするので、精神科に訪れ、診察室ても他人の文句を言っています。そしてその、問題となっている他人は、具合の悪くなったその人のことを知るはずもなく、買って気ままにやっていることでしょう。つまり、他人のことをどれだけ気にしても、結局他人は変えられないのです。まして自分の好きなように変えることなど絶対にできません。このことは脳にしっかり刻む必要があります。でないと、ずーっと、誰かのことが「ムカつく」「気に入らない」と文句を言い続ける人生になってしまいます。