10月15日(火)

南風原町にて、「沖縄子どもの貧困緊急対策事業」の拠点型子どもの居場所の整備と若年妊婦の居場所の展開について、昨年まで中心的に取り組みをされて前城充さん(与那原町政策調整官)と運営をされている一般社団法人カナカナ代表理事仲本かなえさんにお話しを伺いました。

事業の背景には、平成26年に発表された沖縄の子どもの貧困率29、9%、実に3人に1人の子どものが貧困状態にあるという大変厳しい状況であるということと、10代による出産が全国一位の2、6%(全国が1、2%)、そこで、上記の事業が県の主導で始まった。

子どもの貧困の課題
1)貧困という言葉は使わない、「孤立対策」
2)沖縄の課題の一つは「非行」
3)南風原町が捉えた課題
①中卒 ②高校中退 ③弱年出産

不登校の開始時期
中学二年生(山内優子氏の調査)なぜ、増えるのか?

中学生になると体も大きくなり、反抗期のと重なり一気に不登校が増える。
中一では緊張があるが、中2になると無くなる。

初発非行の時期(沖縄県)
幼稚園児での4名の初発がある。78,3%が小学校時代に初発非行をおこなっている。

貧困は家庭を直撃 母子家庭の増加
離婚件数の増加 昭和60年以降、離婚率全国1位
母子家庭、未婚の母 全国2倍以上
離婚後、昼間働く場所がない。
夜、親がいないと、不登校・深夜徘徊・非行につながる場合が多い。

南風原町の不登校の状況
小学校からの不登校が全体の55%

このような背景のもと、「子ども元気ROOM」での支援が始まった。対象は主に小学生(兄弟での支援)、支援の内容は、1、食事支援(三食食べる習慣づけ、食に興味を持たせる(子どもたちと話し合いをし、献立を決め、みんなで作る、家事不慣れ母親に対しても、料理教室を開いたりし、自信をつけさせる。)
2、学習支援(宿題、書道、工作、自由研究)
3.生活支援(入浴の習慣づけ、掃除)
365日、平日は9時から21時、休日は9時から18時、特徴としては完全送迎を実施、送迎には目的があり、保護者との関係性づくり、家庭環境調査も可能に。
お招き会も実施(地域、行政、社協の方々)を招き、子どもたちが料理を作る。

南風原町に「子ども元気支援員」を2名配置、月2回程度の「キッズ会議」を学校をはじめ、関係機関で行っている。3か月ごとの更新制度となっている。予算規模は、R1年度で県全体での予算規模13億円(10/10)
南風原町の元気ROOM事業予算は、3000万円
主には、人件費、送迎車リース台、家賃、食材費

カナカナさんにて、保健師が定期的に参加し若年妊婦の居場所として専門的な支援も行っている。

最後に、長崎県とは(貧困率11、2%)状況も違うし、国庫の助成も厳しいが、重要な課題であると強く認識している。憲法25条
「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を権利を有する」をすべての子どもに置き換えて更に取り組んでいきます。