平成25年2月5日から10日まで、議員団有志でシンガポールとマレーシアの視察に行ってきました。


シンガポールでの視察調査はICT教育からスタート。昨年12月の議会で私が提案した電子黒板とタブレットPCの県立学校への導入が当初予算で計上され、次年度から本格的に長崎県でも事業が開始します。


続いて、財団法人自治体国際化教会(クレア)シンガポール事務所にて、シンガポール事情に関しレクチャーを受けました。


シンガポールは、水も電力(一部火力発電もあり)もマレーシアからの輸入に依存。シンガポール人は377万人、外国を含むと518万人(日本人26,000人)で国土は東京23区より一回り大きいくらい。国の予算は、国防費の次は教育費が占めています。資源が無い国なので、人的資源(人材育成)に力を入れているのです。


クレアには、所長は総務省から、それ以外のスタッフは各自治体からの派遣となっており、各地方自治体の海外活動へのサポート等を行っています。シンガポールの他に東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ソウル、シドニー、北京に事務所があります。


さらに、カジノ規制庁にも伺いました。
シンガポールには、マリーナベイサンズとセントーサ島にカジノがあります。規制庁の主なミッションは①カジノの経営に関し、犯罪行為が起きないように監視、規制をかける②公正な運営(不正がないか)がおこなわれているか監視する③未成年への悪影響がないように配慮する、依存症対策を行う。


そもそも、カジノ導入にあたって国民的な議論が行われたそうですが、当初はすごい反対運動が起きました。しかし、観光客の減少などで観光政策の変換とを余儀なくされました。その結果、経済的発展を遂げたのです。


他国は、カジノは税収だけを考え大蔵省が管理監督となっているところが多いのですが、シンガポールは規制を十分に行いため、規制庁を設置したとのこと。また、依存症対策として、入場を本人、家族、警察などが規制をかけることが出来るようになっています。


また、カジノ場にマカオやラスベカスと違い、ATM機を設置することができないようになっています。さらに、カジノの広報は国民向けには禁止されています。


現在、長崎県では、佐世保市のハウステンボスにカジノを誘致する計画があります。経済波及効果と雇用に関しては相当の期待を持てますが、子どもへの影響、依存症対策、課題は多く存在します。先の議会で、民間(西九州統合型リゾート研究会)任せではなく、県として自ら経済波及効果、雇用誘発効果、負の側面(子どもへの影響、治安面)等について調査すべきと主張しました。その結果、2月議会でカジノについての調査費が計上されています。


ハウステンボスにカジノが出来た場合の試算によると、年間500万人の集客と2544億円に経済波及効果と西九州全体では、1万1千人の雇用の誘発効果があるとのこと。引き続き、県北佐世保の起爆剤となりうるカジノについても調査研究に取り組んでいきます。


山田 ともこ