物事が差し迫って身動きがとれなくなることを「切羽詰まる」といいますが、この切羽(せっぱ)は鍔の両側にそえる金属の板のことを指します。この切羽が、しっかり刀身に合って?詰まって?いないと、鍔鳴りや柄のグラつきの原因にもなって、刀剣への信頼感がガタンと低下します。

 

そこで、ご依頼者様からご提供頂いた切羽のサイズを刀身に合わせて調整します。

 

銀無垢の切羽に、加工したことが分かるように銅で責金を溶接しました。

 

左側が加工前、右側が加工後。分かりやすいように、加工前は燻し色にしてあります(最終的には、加工品も燻します)。

 

この切羽、実は一から作った方がはるかに簡単です!

なのになぜ、こんな手の込んだことをするの?というと、ご依頼に訪れる方々は必ずしも依頼慣れされた方々とはかぎりません。いろいろな不安や期待をもって、ご相談にお見えになります。

わざわざ切羽をご持参されるのには、何らかのご依頼者様の思いが積っていても不思議ではありません。むしろ、一職人には分からない大切な気持ちが切羽詰まっているかもしれません(使い方間違ってますよね笑)。

 

それが、職方からすれば安易に作り出すことができる切羽一枚であっても、極力リフォームを施して再利用して差し上げることで、より愛刀に親しみがわき、より一層刀剣を大切にして頂けると思うからです。

 

今回は、さらに外側のサイズダウンも施します!