数年越しの鹿革加工品が送られてきました!

 

 

これは、ご当地の鹿革を使って拵えを作りたい!というご依頼にお応えするための下ごしらえなのです。

 

軽い気持ちでお請けしたご依頼でしたが、お送り頂いた鹿革を錘をつけて引っ張たり伸ばしたりと試行錯誤を繰り返すも、どうにもこうにも使い勝手が悪く、ホトホト困り果てて専門業者さんに見てもらったところ、「ああ、これはダメだね~」とのこと。

何がダメなのか?肌目が粗すぎるのか、細かすぎるのか?はたまた、なめし方が柄巻にはむかないのか?いろいろ考えるも合点がいかず、オロオロしていると業者さんからご提案が!「内側に芯を入れてみればどうですか?」、突然光明が差したので「ぜひお願いします!」と二つ返事でお願いするも「ウチではやらないけどね~」との非情なお言葉・・・(笑)。

 

何社か相談するも、材料持ち込みの革加工はいろよい返事を頂けず、3社目でやっとOKをもらいました!

OKとなれば、以前からうちに眠っていてそのままでは使えない革も持ち込んで、柄巻に使えるようにお仕立てをお願いしました。

 

ちなみに、お客さんから送って頂いた鹿革は、濃い着色加工が施されていて鉄地の刀装具とミスマッチなため、再染色もお願いしました。

革の染色は完全に専門外なので、せめて色を抜くところまでお願いした次第。

 

 

というわけで、ついに理想の革紐が数種類、手元に届きました!

確かに、これならシッカリ巻けそうです。若干厚手なことはこの際目をつぶります・・・が、目をつぶるわけにいかない事態が!

「な、な、な・・・」同封の請求書の桁が、想像よりも一桁多いではありませんか!

考えてもみれば他社がやらないお仕事、他の作業の手を止めて数年がかりで仕上げてくれたのですから、当然と言えば当然。

てなわけで、このお仕事も赤字覚悟と相成りましたとさ、トホホ。