新しい柄前が完成しました!

 

 

江戸時代、武家は名字帯刀を許された身分の証として、こぞって身なりに気をつかっていました。

特に余裕のある者は、真っ先に商売道具たる刀剣にお金をかけることがあたりまえで、結果職方の技術の向上へと繋がっていました。

つまり、武家文化が今日の伝統工芸発展の礎になっていたといっても過言ではありません。

その後明治に入り、廃刀令以降の刀剣需要の落ち込みで、それまで刀剣分野に限られていた高度な工作技術が様々な産業分野へと裾野を広げていきます。

 

では、江戸時代の侍たちは、刀剣のどの部分に気をつかっていたのか?というと、それは外装(拵)でした。いくら帯刀が許されていたからといっても街中で刀を抜くことは許されず、世の中が平和になればなるほど刀身の性能は無用の長物となり形骸化していきました。

ちょうど化政文化が華やかな頃、刀工の技術も需要も先細りしていきます。時代は派手好み格式重視の権威主義が幅を利かせ、戦闘の用意や実用重視といった思考は影を潜めます。

当然、常に身に帯びて目に付く外装に嗜好が凝らされていくわけです。

 

 

さてさて、今回お作りしている外装は、そんな江戸時代のTPO的な考え方から少し離れて、実用性や丈夫さに重点を置いて製作中です。イメージ的には、今だ戦乱の気運が立ち込めていた幕藩体制が確立する以前の江戸初期慶長頃の流行拵です。

 

 

私は、この手の鉄地に銀象嵌の刀装具が好きです。

 

 

前回ご紹介した目貫も雰囲気よく納まってくれました。

 

 

次は鞘塗りです。もちろん、目指すイメージに向けてトータルバランスを調整しながら仕上げていきます!