短刀身の研摩です!
錆身の修復のため、手探り状態の走り出しでしたが何とかカタチになってきました。
当初、ほぼ地刃不明で先端の一部にのみ刃縁が覗いていました。
太陽光に照らしてマジマジと見ていると、新々刀有名流派の特徴を感じたので逸る気持ちを抑えて茎を拝見すると、アタリをつけた流派が目標にした南北朝期の名工に見る二字銘でした。
この時点で、幕末から南北朝へと時代が錯綜してしまい、研ぎの方向性が見出せない時間が続きましたが、研ぎ進む中で正体が分かってきました。
まず、荒砥の段階で南北朝は消え、肌を起こす段階で新々刀を疑うことになりました。出来れば、初めから時代や流派を定めてから作業に移りたかったのですが、己の不勉強さを痛感しました。
実に面白い作域です。無銘なら、当初の鑑定で当りと思います。
新々刀の郷土刀の中には、信じられないような名工が埋れているのだな~と改めて感じました。
全面にわたって刃中の働きが見事!
私のこだわりとして、整形は研ぎ減らさない程度に施し、極力薄化粧にとどめています。仕上がりが楽しみです。