平行植物の環世界 -5ページ目

ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ Xysticus sp. Trachys yanoi

ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ
ヤミイロカニグモの幼体? Xysticus sp.

 桜の樹皮の裏でヤミイロカニグモの幼体を見つけた。ヤミイロカニグモの仲間はどれも似通っていて幼体では識別不可能であるため、この個体も実際のところは種類の確定は難しい。
 アップで撮るとクモの上に何かいることが分かる。ちょっと引いて見てみよう。


ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ
ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ Xysticus sp. & Trachys yanoi
 丸っこいのがその虫。これは実はタマムシの仲間。幼虫・成虫共にケヤキの葉や新芽を食べる。


ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ
 しばらくしたら動き始めた。写真右側が頭部で、盛り上がった両端には複眼がついている。


ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ

ヤミイロカニグモとヤノナミガタチビタマムシ
 ヤミイロカニグモの方は、すぐにまた樹皮の裏側に入っていった。

春、そしてクモ再始動 キハダカニグモ Bassaniana decorata

キハダカニグモ
キハダカニグモ Bassaniana decorata
体長:♀4~8mm、♂4~6mm

 サクラの樹皮の上をキハダカニグモが歩いていた。漢字で書くと「木肌蟹蜘蛛」、樹皮のような肌を持つカニグモの仲間である。彼らは大概樹皮の下に潜んでいることが、たまにこうして出歩くようだ。


キハダカニグモ

キハダカニグモ
近くの樹皮を剥がすと、かなりの数が待機していた。獲物を捕まえて食べている者もあった。


キハダカニグモ
 正面から。カニグモの仲間は巣を張らない。目もハエトリグモのように発達しているわけではない。彼らは獲物を視力で追いかけるのではなく、待ち伏せて鼻先に来た獲物をガシっと脚と牙で捕まえる。獲物が来そうな場所でいつまでも待つわ。


 今日はこの種に限らず、数多くのクモたちがそこいら中を這い回っていた。このような状況を地獄のような光景と捉える人もいるだろう。だがこれは、クモたちが春の訪れに胸を躍らせている、大変爽やかな姿なのである。近所のコンビニでは、早くも1年越しのオニグモが販促パネルの下に円網を張っていた。当に今日はクモたちの春であるのだな、としみじみ。
 少し撮影をして帰宅。さてと、家に持ち帰った写真をサムネイルにして眺めてみたが、みんな一様に茶色くてどれがどの写真だかよく分からなかった。それはそうか。彼らが動き出すまで、この木にこんなにたくさんいたなんて誰にも分からなかったのだから。

うんと小さな虫―メダカハネカクシの一種 Stenus sp.

メダカハネカクシの一種
メダカハネカクシの一種 Stenus sp.

体長:3~4mm。ビンの中の黒いものがその虫。


メダカハネカクシの一種
 大きく写すと、上翅に黄色っぽい点が見られた。フタホシメダカハネカクシ、ホソフタホシメダカハネカクシという虫に似ているけど、種名は不明。


メダカハネカクシの一種
 身体には凹凸があったりして、こんなに小さいのに大きなハネカクシと遜色のない細かなデザインをしている。