47日にアメリカがシリアに対する59発のトマホーク(巡航ミサイル)攻撃を完璧に成功させて見せたことにより、トランプ、というより本当はホワイトハウスに入ったハードライナ―の軍人たちですが、金正恩〈キム・ジョンウン〉の封じ込めに成功した、という小塩丙九郎の主張は、411日ブログ『トランプは金正恩〈キム・ジョンウン〉封じ込めに成功した!』(下記URLを参照ください)で説明したとおりです。

 

http://ameblo.jp/koshioheikuroh/entry-12264204551.html

 

多数発射されたトマホーク(発射例の写真は下記のURLに掲載)のすべてが目標に命中したという事実は、金正恩とその側近の最高位にある軍人数人を、ある日あるとき突然に同時に葬り去る、つまり北朝鮮軍の指揮能力を瞬時に崩壊させる能力をアメリカ海軍がもっているということを、バカではない金正恩を初めとする北朝鮮幹部たちに思い知らせました。そしてこの日以降、金正恩たちは身動きが取れなくなりました。

 

http://www.koshiodatabank.com/101-1-12-graphs.html#item-103

 

金正恩が怖いのは、原子力空母のカールビンソンではなくて、北朝鮮人民軍創設記念日の425日に釜山にわざわざ入港して姿をみせた原子力ミサイル潜水艦です。ミシガンは、トマホークを154発、つまりシリア攻撃に使ったものの2.6倍もの数の巡航ミサイルを積んでいるからです(同型のオハイオ級原子力ミサイル潜水艦の写真を下記のURLに載せています)。これでアメリカ海軍は、金正恩の恐怖心をダメ押ししたというわけです。

 

http://www.koshiodatabank.com/101-1-12-graphs.html#item-104

 

以降、すべてのミサイル発射が不成功に終わり、大がかりなのは時代遅れの砲射訓練のみというのは、それを超えた行動がアメリカ海軍のどのような行動につながるかが知れたものではないという恐怖に金正恩たちが囚われているということの表れです。

 

つまり、北朝鮮がこれ以上の核ミサイル開発につき進むという可能性も、あるいは通常軍事力でソウル攻撃を図るという可能性も、何れもなくなったのです。

 

一言でいえば、北朝鮮の脅威は去りました。

 

残るのは、北朝鮮政府の緩やかな衰退、そして最後は突然の大崩壊であるということは、既に1962年のキューバ危機で戦わずして敗れた後のソ連が示している通りです。

 

しかし、テレビを見ても、新聞を開いても、日本のニュースは北朝鮮脅威、あるいは戦端開始の恐怖を煽る記事で溢れています。それは一体、何故なんでしょうか?

 

それは、北朝鮮が脅威であるということを言い続けないと困る人がいるからです。

 

最もわかりやすい例は、北朝鮮問題の専門家と称する韓国人ジャーナリストでしょう。金正恩は怖い、まことに手ごわい相手だと叫ぶ毎に、彼のテレビ出演回数は増えるというものです。

 

テレビ局も、北朝鮮脅威特集を組むごとに視聴率を稼げます。新聞が戦争危機を煽ることによって発行部数を伸ばすというのは、戦前の朝日新聞を先頭とするマスコミの手口として既によく知られている通りです。

 

軍事力強化のための予算を増やしたい現政権、恐怖の時代に入ったことを喧伝して共謀罪法を成立させたい現政権、予算増強によって潤う防衛省官僚とそのOBたち、これらの人もこぞって北朝鮮脅威を騒ぎ立てます。

 

野党もまた、与党の好戦的態度を非難する平和希求団体であるという主張を行っている姿勢を国民に見せたくて、北朝鮮脅威論に加担するという次第です。

 

世に多くのジャーナリスト、学者や論者がいるのに、1人として「北朝鮮の脅威が去った」と主張する人がいないのは、とても不自然なことだと思いませんか?

 

日本の学者、ジャーナリスト、そして政治家たちは、自由な論議、そして多様な発言に基づく真実の追求と民主的意見の構築ということには、関心がないのです。みんな同じ方向を向いて、北朝鮮が如何に脅威かを叫ぶ声の大きさを競っています。

 

そういうこれらの人たちの付和雷同の態度が、1941年の真珠湾攻撃を止められなかったのだという反省をもてない日本という言論不自由の国をつくってきたのだ、と小塩丙九郎は考えています。