ある日の塔城線で、
僕はおかしくなったんだ。
梅雨の晴れ間の恋しい頃の放課後、
いつも一緒に下校する竹山君が、
鳴枡って駅で降りたあと、僕は一人になり、
実は親には内緒だが、
先日の小テストで50点という間抜けな点数を取ってしまった
理科の問題用紙を取り出した。
卓球部の顧問で理科の星根、
いきなり予告なしに、
思いつきでテストなんかしやがるから、
ふいを打たれて50点。
嫌な奴だぜ。
「この小テストを参考に、
今後の自分の授業の進め方を考える」
とか
「成績には響かん」
とか言っていたが、
どんなもんだか。
全く、
しょっぱなからこんな間抜けな点とって、
何が志望は東大理Ⅲだ。
考えた側から笑えるぜ。
最初から躓きやがって。
とにかく僕は悔しくって、
破り捨てたいその問題用紙ともっかい格闘するこにを決めたんだ。
「タケバヤシイサミサンデスヨネ。
ワタシ、
ゼンセデノハナヨメルフィア」
ん、
なんだ?
誰かが僕を呼んでる気がしたんだが、
誰だ?
僕は問題用紙から顔をあげ、
頭を左右にキョロキョロするが、
誰も僕に声をかけてる様子は無い。
車内は静かだ。
気のせいか。
そしてそれは、
一駅先の若生市って駅を過ぎた時
今度はもっとはっきりと、
聞こえたんだ。
「タケバヤシイサミサンデスヨネ。
ワタシ、
ゼンセデノハナヨメルフィア」
誰だっ?
僕はとっさに顔をあげ、
360度見回したけどみな知らんぷり。
とても車内は静かだった。
竹林いさみさんですよね。
私、
前世での花嫁ルフィア。
ルフィア?
誰なんだ・・・ルフィア。