2019年12月に、金融検査マニュアルが廃止されました。

 

金融機関による企業の評価は、約20年にわたって、決算書に基づく定量評価により行われてきました。

その評点により、「正常先」や「要注意先」などの格付けが行われ、それにより、融資の可否や融資条件が決められてきました。

 

これは、金融庁が取りまとめた金融検査マニュアルに基づくもので、近年は、画一的な対応による弊害が指摘されていました。

 

今回の金融検査マニュアルの廃止により、企業の事業内容や将来性といった定性的な観点も含めた事業性評価が行われる方向へと向かいます。

 

事業性評価により、決算書や財務データのみに依存せず、企業の実態(成長性・将来性)を考慮の上で、柔軟で積極的な融資が行われることが期待されます。

 

ですので、金融機関に対して、自社の事業内容や経営課題、将来に向けた計画を理解してもらうことは、これまで以上に重要になってきます。

 

そのためには、定期的に、金融機関に対して、経営報告を行うことが必要です。

その経営報告は、単に試算表を渡すといった形式的なものではなく、将来計画を踏まえた事業や市況の状況を報告するという、実質的なものであることが必要です。

 

そのような報告を継続的に行い、金融機関との関係性を築くことにより、より適切かつ良い条件での融資が受けられることが期待できます。