火曜日のKachitagari TV、また水曜日のTopanga TVの中で、プロゲーマーのトッププレーヤーの方たちが(ときど さんも含めて)、「獣道」のウメハラ vs ときど の一線を詳細に分析されていたのが、印象に残りました。

 

 それぐらい、注目を集めていたし、プロの人たちでさえ、少なからぬ衝撃を受ける内容だったのだ、ということが、これにより、分かりました。その前の、ウメハラさん御自身の解説と合わせて、「あの対戦が何だったのか?」「何が起こったのか?」ということが、だいぶ明らかになってきたように思います。

 

(ときどvsウメハラ の分析は冒頭の約10分間です)

 

|| スト5AEの豪鬼は発展途上

 

 試合を見ての通りですが、豪鬼の攻撃、画面端に追い込むまでのスキームが機能していなかった、との分析。ウメハラさんの「端にいかなければガイルは負けない」という解説、そして実際のニュートラル・前歩き戦術と対応します。2013年の、Mad Catz Unveiled のインフィル戦を髣髴とさせる内容だと思いました。

 

 どうも、スト5AEで追加された、Vトリガー2が曲者で、ガイル相手にV2という選択が正しいか?はまだ分からないそうです。

 

 これを聞くと、バージョンの切り替え直後の対戦だったことも、10対5という結果に相当影響している可能性があると思いました。今後、突き詰めていったときに、どうなるか?という問題が出てきます。

 

 ここで、スト4のときのウルコン選択を思い出しました。スト4豪鬼はウルコン1の瞬獄殺が非常に優秀で強力でしたが、時間が経つに連れて、狙うタイミングがばれてきて、特にトッププレーヤー達には決まりにくくなっていました。そこで、ときど さんは、コンボにも組み込めるウルコン2の天衝海轢刃を使うようになりました。ところが、天衝海轢刃はコマンド(↑↑PPP)の性質上、使いどころも、コンボに組み込むのも難しく、その威力・真価を引き出すのには時間が必要でした。

 これが例えばリュウだったら、勝つことを考えれば、威力・使いやすさの点で滅波動の一択でした。

 

 一方のウメハラさんのガイルについては、V2がかなり機能しているように見えました。弾を消しながらサマーが当たっている場面が何度かあったと思います。この差も、大きかったのだと思います。

 

 この点は、ハイタニさんから、「ときど豪鬼は、まだ未完成」という指摘がありました。そういう感じは、確かにあります。ガイルに対して、V1なのかV2のか?そもそもAE豪鬼は、いけるのか?いけないのか?ときど さんには、ぜひ今後の更なる研究をお願いしたいと思います。その上で、もう一度、ウメハラさんのガイルに挑んで欲しいと思います。

 

 

|| スト2X:変わらないルールで四半世紀

 

 スト5が現在進行形のゲームで、技やルールが追加されたり・変更されたりしているのに対し、第一試合の こたか商店 vs イトー のスト2Xは、実に約四半世紀前のゲームで、その間ルールが変わっていません。

 ルールも、フレームも、技の性質・キャラの性質も、1994年からずーっと固定です。

 

 にも関わらず、イトーさんのディージェイは、新旧プレーヤーに衝撃を与え、こたか商店さんのガイルは、ウメハラさんをして「歴代で最強のガイル」と言わしめるほどの仕上がりを見せてくれました。変わらないルールで突き詰めて、24年後の対戦で、これ。

 

 また、高田馬場ゲーセン「ミカド」でも、約四半世紀前のゲームたちの大会が催され、毎回大変に盛り上がっていて、新しい戦術や戦い方が提案されています。

 

 格闘ゲームの対戦を突き詰め、キャラの真の性能を引き出すには、本当はこのくらいの時間が必要なのかもしれません。それも、まだ途中なのかもしれません。

 

 将棋や囲碁だって、相当長い間プレーされていますが、若い藤井聡太さんがこれだけの衝撃を与えているように、いまだに戦術も戦略も更新されています。格闘ゲームも、負けないほどの奥深さがあるのだと思いました。

 そう考えると、ルールがコロコロ変わっているスト5の対戦は、まだ浅いのかもしれません。