「明和俯永面重文」

 

入札誌で落札した明和俯永の面重文が届きました。

 

最低価格があまりにも安かったので、いくらの金額を付けたらいいのか分かりませんでしたが、それで落札できなかったら諦めがつく金額を入れました。

 

無事落札できましたが、一人相撲だったかもしれません。

 

 

過去にブログで掲載したことがある他の面重文銭と並べてみました。

 

 

 

 

左上:今回入手した明和俯永

 

右上:古寛永水戸銭の狭足寛背大郭大濶縁

 

左下:加護山銭の細字嵌郭

※月刊収集(77年7月号)、月刊ボナンザ(79年1月号)、英泉還暦記念泉譜(平成6年9月)、浅草古泉会三周年記念拓本図絵 拓本輯 御蔵銭(平成16年6月)の掲載品。

今回、「銭幣の華」にも当該銭の拓本(S-053)が掲載されていることを確認。

 

右下:小字背千系

※「銭幣の華」に当該品の通用銭と思われる拓本が掲載されているとの情報を頂いていましたので、今回確認しました。

銭幣の華S-070の拓本の上下左右が正しければ背の千が90度ズレていることになりますが、面文はほぼ一致しているように見えます。

 

 

面文が回転し重文になっているものは、自然発生的にできた錯范ではなく、良いことが重なるとの意から、銭座等で人為的に作られたとする説があるようです。

これからすると4枚のうち古寛永水戸銭、加護山銭、今回の明和俯永は正確には錯范銭との表現は適切ではないかもしれません。

一方、母銭である小字背千系のものは意図的ではない錯范銭かもしれません。