〔はじめに〕

ブログの画像や情報をご利用される場合は、『千』の古銭箱ブログからの転載・転用である旨を明記して下さい。

特に本ブログのメインテーマである背千類の分類及びこれに関連する考察や見解等を対外的に発表する資料に利用される場合は、『千』の古銭箱ブログからの転載・転用である旨を明記した原稿等を事前にお送りくださいますようお願いします。

なお、本ブログの情報に限ったことではありませんが、他人のものを「自分の研究成果物ですよ」みたいな利用は、どのように表現を変えても転用ではなく盗用となります。

 

〔背千類に係る記事の整理〕

前回の記事にも記載しましたが、背千類の収集品は増え続けているものの、整理が不十分で、背千類の記事も何をどこまで書いたか自分で検索するのに難儀する状況になっているため、今一度記事の整理を始めます。

『【未完成】背千類に係る記事の整理』と題して、過去に掲載した記事の整理を中心に加筆・修正を行なっていこうと思っています。

下書きの形で保存し未公開のまま整理していくことも考えましたが、しばらくの間は『【未完成】背千類に係る記事の整理』として公開したまま、随時更新していこうと思います。

以下は、作業途中の記事になります。

 

〔大字背千と大字爪貝寳背千〕

大字背千と大字爪貝寳背千の分類ポイント①

「千」の分類ポイント

赤色で切り抜いた通り、全体的な形状が違う。

一般的に、大字爪貝寳背千は千字の第二画(横引き)が短いとされているが、サンプルで見る限り、横引きと第三画(柱)との比は、大字背千とほぼ変わらない。もちろん個体差があるが、大字背千の横引きが上の方にある「高千」であることや打ち込みの角度等の全体的な印象の違いで、大字爪貝寳背千の横引きの方が短いようには見える。

 

 

(サンプル)

左側:大字背千(管理番号№O-6)、右側:大字爪貝寳背千(管理番号№O-8)

※大字爪貝寳背千の「赤色の線」は大字背千の「黄色の線」を移動させたもの

 

大字背千と大字爪貝寳背千の分類ポイント②

「寛」の分類ポイント

大字背千は仰ぎ、大字爪貝寳背千は直立。大字背千の「見」の跳ねが、右郭右辺の延長線に寄る。大字背千の「見」の末尾がやや長い。

 

 

大字背千と大字爪貝寳背千の分類ポイント③

「永」の分類ポイント

強いて違いを挙げると、サンプルでは、大字爪貝寳背千の方が、点がやや横向き、ノ画と末画の角度がやや狭く見える。分類ポイントとして汎用性があるか否かは要精査。

 

 

大字背千と大字爪貝寳背千の分類ポイント④

「通」の分類ポイント

コ頭の縦画の屈折部分の角度が、大字背千の方が急。また、上画と下画の幅が大字背千の方が狭い。この点に触れている解説書を見たことがないが、通用銭(鉄銭)分類の際にも個人的に重視しているポイント。

 

 

大字背千と大字爪貝寳背千の分類ポイント⑤

「寳」の分類ポイント

分類名の通り、大字爪貝寳背千の「貝」の目の下辺(第五画)の爪が長い。大字背千にも爪が少しあるように見えるので、この点だけでは判別がつかない場合が多い。大字背千の「貝」の「ハ」の前足に打ち込みがある。これも判別がつかない場合が多い。

大字背千の方が、冠の横引きが郭の上辺の延長線との間がやや広いとされるが、通用銭では判別困難。

それよりも、「貝」が大字背千は輪と郭のほぼ中央にあるのに対し、大字爪貝寳背千はやや郭寄りになっている点、「目」が大字背千の方がやや縦長になっている点が分かりやすい。