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宮銭二神
※立体的で、拓本が綺麗に採れません。
絵銭の相場や日本の絵銭をみると、「宮銭」の名称は奇鈔百圓の「宮銭戎」の例言が基とされているようです。
※奇鈔百圓より転載
「銭座ノ初ニ先ツ此銭ヲ鋳テ鞴神トシ御酒燈明ヲ献ジテ祭ルナリ因テコレヲ銭座ノ宮銭と称ズ」
何年か前に、宮銭恵美須(本ブログでは戎ではなく、恵美須を用います)の土台から切断された上部のみを入手しました。
どういうものか分からずに売りに出されていたようで、切断されたとの説明もありませんでした。価格は確か1000円だったと思います。
今回の掲載品は、宮銭恵美須と宮銭大黒が繋がった宮銭二神です。なお、畫錢譜下編では二神宮銭と表記されています。
※畫錢譜下編より転載
日本の絵銭に、宮銭恵美須、宮銭大黒それぞれ単独の写真と宮銭二神の写真が載っています。
以下比較のために、日本の絵銭の画像と、検索でヒットしたAW貨幣博物館の画像を転載させて頂きます。
※日本の絵銭より転載
(宮銭恵美須)
(宮銭大黒)
(宮銭二神)
(宮銭二神)
※AW貨幣博物館より転載
(宮銭二神)
日本の絵銭の宮銭恵美須、宮銭大黒は比較的スッキリしていますが、日本の絵銭の宮銭二神(上段)とAW貨幣博物館の宮銭二神は、恵美須と大黒の間に鋳バリのようなものがあり、恵美須と大黒の顔や永の字、背もねむたい感じです。
日本の絵銭の解説欄で「恵美須、大黒両宮銭が繋がった型の宮銭も残されているが、これを別々に切り離して個々の宮銭に仕上げるとの見方もある。しかし、それにしては恵美須に比べ、大黒銭の存在数が著しく稀であるから、故意に両銭を接続して、宮銭二神という一個の絵銭に作り上げたような気がする」とあります。
今回の掲載品をみると、もともと別々だった宮銭恵美須と宮銭大黒を繋げたとみるのが自然だと思います。
類品が少なく現物比較もできていないので断定はできませんが、掲載品は宮銭二神の初期のものではないかと考えます。
日本の絵銭で、宮銭二神の写真を見た時、恵美須・大黒で隠れた寛永通寳の「永」の字が、それぞれの胸のあたりに金太郎の前掛けのように出ている意匠が印象的で、入手したいと思い探しましたが、納得のいく売り物に出会うことはできませんでした。
最近は特に意識して探していたわけではありませんが、今回思いがけず入手できました。