あなたにとってセミとは、どういう印象ですか?
7年間幼虫のまま土の中にいて、
7年たってようやく地上に出て、一週間ほどで
死んでしまうはかない昆虫、
そんな認識ですよね。
ところがアメリカ大陸には、17年という、
はるかに長い期間土の中にいるセミがいる、
というのです。
しかもそれが集団ごとに17年の周期が決まって
いるのです。
つまり、残りの16年はセミが地上に現れない、
ことになります。
したがって、その17年目にあたった年は、
セミの大合唱で、たいへんな騒ぎになります。
その分布は北米大陸の東部に限られていて、
北部に17年セミ、南部には13年セミがいます。
ここで皆さんに質問です。
なぜ13年、あるいは17年の周期なのでしょうか?
一つの説を紹介しましょう。
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もともとは体のサイズに基づいて出現する
非周期性のセミが、年齢に基づいて出現する
要に性質を変えたのだろう。
更新世の寒冷化により、成虫が出現する
タイミングがバラバラになり、どの年を
とっても成虫の個体密度が下がり、
交尾の機会が減った。
体のサイズに基づいて出現する戦略を捨て、
地中に長くとどまってから一斉に地上に出る
という年齢に基づく戦略に転じたのだろう。
大量に出現すれば、交尾の機会も増えるだろう。
鳥、魚、哺乳動物という捕食者が食べても、
生き残る可能性が高まる。
「米国で大発生 17年ゼミの生存戦略」
(K.ウオン)、
日経サイエンス 2021.8号より
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ようは、もともと体の成長する大きさにより、
地上に出現するセミが、年齢により出現する
ように進化した。
そのほうが、一度に大量のセミが出現するので、
子孫の維持に有利だからだ、
ということです。
なるほどと思いますが、ここで疑問が浮かびます。
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どのようなメカニズムで、進化したのだろうか?
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進化論的にいえば、突然変異でたまたま
周期セミに変化したセミが有利になって
生き残った、
となります。
もう少し具体的に考えてみましょう。
突然変異が起こったセミは一匹です。
そのセミの子供たちは17年後に出現して、
交尾して産卵して子どもたちができ、
また17年後に出現します。
はじめの17年後のセミの数は、他のセミ全体
からみてもごくごくわずかな数です。
はたして捕食者に食べられたりするわけで、
生き残れるほどの数だったのだろうか
という、疑問も湧きます。
一方の、普通のセミは、17年セミからみると、
とてつもなく多数です。
捕食者に食べられたにしても、まだまだ数多く
残ります。
それで絶滅してしまうのなら、数の少ない
17年セミだって、絶滅してしまうはずです。
もちろん17年ゼミが幾世代にもわたって
細々とでも生き延びるうちに、数を増やす
ことになったのだ、
という説明になるのでしょう。
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しかしながら、
そんなにうまくいくのだろうか、とも思えます。
このように具体的に考えると、はたして
「偶然の突然変異」で説明できるのだろうか、
という疑問が湧きます。
ではどのように考えれば説明がつくのか
ですが・・・
それはよくわかりません。
ただし少なくとも何かの力が働いている
ようにもみえてきます。
スピリチュアル的にいうと、
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神の見えざる手
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となるのでしょうが、
そこまでいわなくても、
個々の生物が子孫繁栄するように、何がしか
導く力が働いているのではいか、
ということです。
それが各生物の遺伝子に組み込まれているという
考え方もできましょうし、
いやもっと宇宙全体にそのような大きなエネルギーが
あり、その力が作用しているのだ、
という考え方もあります。
あまりいうと、
スピリチュアル的になってしまうのですが、
少なくとも何がしかの見えざる力が働いている
ように感じます。
そうでないと、
宇宙の天体から生物の細胞にいたるまで、
単なる偶然で、ここまで秩序だって、かつまた
美しい世界ができあがるものだろうか?
という疑問に答えられない気がします・・・。
今日は大きなテーマになってしまいましたが
(苦笑い)、皆さんはいかがお考えでしょうか?
感想・コメントなどいただければ幸いです.
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