大河ドラマ「青天を衝け」で、
先日面白い話が出てきましたので、
紹介します。
主人公は、渋沢栄一(ドラマでは、吉沢亮)
です。
渋沢は、国立第一銀行(現みずほ銀行)、
東京商工会議所をはじめ、学校、医療など、
実に多くの事業の立ち上げに携わりました。
そういったことから、近代日本経済の父と
呼ばれています。
2024年からは、一万円札の肖像画にも
採用されますよね。
もともとは埼玉県深谷市で、藍玉などの精算を
手がける農家の出でしたが、尊王攘夷運動に
かかわり、やがて一橋家に仕え、十五代将軍
徳川慶喜(ドラマでは草彅剛)の信任を得ます。
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当時、一橋家は財政が厳しく、そうしたなか
渋沢は、一橋家の領地であった播磨の木綿反物に
目をつけます。
当時の播磨の木綿反物は、安い金額で売られた
のですが、隣の姫路藩では、高く売られていた
のです。
なぜ姫路では高く売ることができたのか?
姫路藩では、藩で生産された木綿反物を
専売制として藩が買い取り大阪や江戸に
向けて大口取引を行っていたからです。
姫路に集めると、晒(さらし)にして加工
することで付加価値を付ける仕組になって
いたことから大坂と江戸で高値で取引されて
いたそうです。
ところが一橋領の播磨2万石では領内の村人が
商売の知識もないまま個別に大阪で売って
いたため、安く買いたたかれることも多く、
大した金にならないことから生産量も
少なかったそうです。
そこで渋沢栄一は領内の今市村に「物産会所」
を開設して、領内に産した木綿をここへ
集めて買い上げます。
大坂にひらいた問屋へ送ると売り値を姫路藩
など他藩より安くしたことで飛ぶように売れた
ようです。
「道徳経済合一」の理念を持つ渋沢栄一から、
領民からは木綿を安く買いたたくような真似
をせず、できる限り高く買い上げたのは言う
までもありません。
領民も木綿が金になるということがわかると、
益々盛んに木綿を生産するようになるという
相乗効果も生まれています。
(以上、WEB「これが知りたかった」
渋沢栄一は勘定組頭で木綿の専売制度!
#青天を衝け 2021/6/14から転載)
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その元手とするため、藩札を発行する
のですが、それはさておき、
ここでのポイントをわかりやすくいえば、
木綿反物の「ブランド」化でしょう。
全く同じ品質のものでも、一橋家が売る反物
となれば、信用がつきます。
現代でもグッチやプラダの商品といえば、
びっくりするくらいの高額ですよね。
一方、同じような商品で、さほど品質で
劣るとも思えない聞いたことのない会社の
商品が、安価で売られている、
こういうことって、よくありませんか?
逆にいえば、安価なものも、ブランド力を
つければ、高単価で売れる、ということです。
ではどうすればいいのか・・・
です。
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まずは信用をつける、ということでしょう。
今回のケースでいうと、『権威性』でしょうか。
一橋家が売っている、となれば、
「なら間違いないだろう」
「万が一、おかしなものであっても、文句いえば
交換してくれるだろう」
と思うわけです。
あるいは実績を積み重ねてそれが評判を呼び、
さらに信用を増していったこともあるでしょう。
それにしても、人間心理とは不思議なものです。
全く同じものでも、ブランド力があると、
なんとなくいい品質に思えてくる、
こういうことって多いですよね。
いかに人間の感覚が、ある意味あてにならない
というか、評判に左右されるか、
ともいえますね。
江戸末期の話ではありますが、さすが
日本近代経済の父と呼ばれる渋沢栄一翁です。
何がしかの商品・サービスを扱っている方で
あれば、ヒントになる話だと思います。
今日の話が、皆さんに少しでもお役に立てれば
幸いです。
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